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結婚前の不安?【マリッジブルーとは】原因・症状・乗り越え方を解説

結婚は人生における大きな節目であり、多くの人にとって喜びと期待に満ちた出来事です。
しかし、その一方で、結婚の準備を進める中で、あるいは結婚が間近に迫るにつれて、それまで感じたことのないような不安や憂鬱な気持ちに襲われることがあります。
こうした結婚前の精神的な不安定な状態は、「マリッジブルー」と呼ばれ、決して珍しいことではありません。
マリッジブルーは、決して「結婚したくない」という単純な気持ちではなく、新しい環境や生活、パートナーとの関係性、そして自分自身の将来に対する複雑な感情が入り混じった結果として現れることが多いです。
この記事では、マリッジブルーとは具体的にどのような状態を指すのか、その症状や原因、そしてどのように乗り越えていけば良いのかについて、詳しく解説していきます。
結婚を控えて漠然とした不安を感じている方、パートナーのマリッジブルーにどう寄り添えば良いか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

マリッジブルー(marriage blue)とは、結婚を控えた人が経験する精神的・身体的な不安定な状態を指す言葉です。これは医学的な診断名ではなく、結婚準備期間から結婚直前にかけて多くの人が感じる可能性のある、一時的な不安や抑うつ状態の総称として用いられています。

この言葉は実は和製英語であり、英語圏では”pre-wedding jitters”(結婚前のそわそわ、神経質になること)や”cold feet”(直前になって怖気づくこと)といった表現が使われることが多いようです。

マリッジブルーは、決して結婚相手への愛情がないことや、結婚そのものを望んでいないことを意味するわけではありません。むしろ、真剣に結婚や将来に向き合っているからこそ生じる、自然な心の動きと言えます。人生の大きな変化を前に、期待と同時に様々な不安や戸惑いを感じるのは、人間としてごく自然な反応です。

マリッジブルーは、結婚という新しい環境への適応プロセスの一部として捉えることもできます。自分自身の内面と向き合い、パートナーとの関係性を再確認し、より良い未来を築くための準備期間とも考えられるのです。多くの人が経験する普遍的な現象であることを理解することが、マリッジブルーを乗り越える第一歩となります。

目次

マリッジブルーの主な【症状】

マリッジブルーは、その原因や程度によって様々な形で現れます。主な症状は、心と体の両面に現れることが特徴です。ここでは、それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。

心に現れる症状

マリッジブルーの精神的な症状は多岐にわたります。以下のような症状が見られる場合、マリッジブルーの可能性が考えられます。

  • 結婚への不安: 「本当にこの人と一生一緒にいて幸せになれるのだろうか」「結婚生活がうまくいく自信がない」といった、パートナーや結婚そのものに対する漠然とした不安や疑問を感じやすくなります。
  • 将来への漠然とした恐れ: 結婚後の生活の変化(住む場所、仕事、家族構成など)や、経済的な問題、親戚付き合い、子育てなど、具体的にイメージできない将来に対する不安や恐れが強まります。
  • パートナーへの不信感や疑問: 結婚準備を進める中で、パートナーの些細な言動や価値観の違いが急に気になり始め、「こんな人で大丈夫なのか」と疑念を抱きやすくなります。相手の欠点ばかりが目に付くようになることもあります。
  • 独身生活への未練: 自由な時間やお金を自由に使える独身時代が終わり、新しい制約ができることへの寂しさや惜しむ気持ちが芽生えます。友人との関係性の変化を心配することもあります。
  • 憂鬱感、無気力感: 何となく気分が晴れない、やる気が出ない、何もかも面倒に感じる、といった抑うつ的な気分が続くことがあります。結婚準備が進まないことへの焦りを感じることもあります。
  • イライラ、焦燥感: 些細なことでパートナーや周囲の人にイライラしたり、結婚準備が思い通りに進まないことへの焦りを感じたりします。感情の起伏が激しくなることもあります。
  • 集中力の低下: 結婚や将来への不安で頭がいっぱいになり、仕事や普段の生活で集中力が続かなくなることがあります。
  • 決断力の低下: 結婚式の準備や新生活の準備で様々なことを決めなくてはならない状況で、物事を決められなくなったり、迷ってばかりいたりすることがあります。

これらの精神的な症状は、結婚という大きな変化に適応しようとする心の揺れ動きであり、必ずしも異常なことではありません。

体に現れる症状

心で感じている不安やストレスは、体にも影響を及ぼします。マリッジブルーに伴って現れる可能性のある身体的な症状は以下の通りです。

  • 睡眠障害: なかなか寝付けない(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)といった不眠の症状が現れることがあります。逆に、いくら寝ても寝足りない、日中も眠いといった過眠になる人もいます。
  • 食欲不振または過食: ストレスで食欲がなくなってしまい、体重が減る人もいれば、逆にストレス解消のために食べすぎてしまい、体重が増える人もいます。
  • 疲労感、だるさ: 十分な休息をとっているはずなのに体がだるい、疲れが取れないといった症状を感じることがあります。
  • 頭痛、腹痛: 緊張やストレスが原因で、慢性的な頭痛や胃痛、腹痛(下痢や便秘を含む)が起こることがあります。
  • 動悸、息苦しさ: 不安や緊張が高まると、心臓がドキドキしたり、息がしづらいと感じたりすることがあります。
  • 肌荒れ、めまい、肩こりなど: ストレスは自律神経のバランスを崩しやすいため、肌荒れが悪化したり、めまいがしたり、体のこり(特に首や肩)を感じやすくなったりすることもあります。

これらの身体的な症状は、精神的なストレスが原因で現れている可能性が高いです。もし症状が重い場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、一人で悩まずに医療機関(心療内科や精神科など)に相談することも検討しましょう。体の不調は心のSOSである場合もあります。

マリッジブルーになる【原因】

マリッジブルーは、一つの特定の原因によって引き起こされるわけではなく、様々な要因が複合的に絡み合って生じることがほとんどです。結婚という人生の大きな変化を前に、無意識のうちに多くのストレスやプレッシャーを感じていることが背景にあります。主な原因をいくつか挙げてみましょう。

環境の変化への不安

結婚は、住む場所、家族構成、そして人間関係など、生活環境が大きく変わることを意味します。

  • 引っ越しや同居: これまで一人暮らしだったり、実家で暮らしていたりした場合、新しい住まいでの生活や、パートナーとの共同生活が始まることへの期待と同時に、うまくやっていけるかという不安を感じます。
  • 名字が変わる: 特に女性の場合、入籍によって姓が変わることによる手続きの煩雑さや、これまでの自分との区切り、アイデンティティの変化に対する戸惑いを感じることがあります。職場での呼び名が変わることへの抵抗感を持つ人もいます。
  • 新しい家族(義両親など)との関係構築: パートナーの家族との関係を良好に築けるか、どのくらいの頻度で付き合えばいいのか、といった新しい人間関係への不安は、多くの人が感じやすい原因の一つです。

これらの環境の変化は、一つ一つは些細なことのように見えても、複数重なることで大きなストレスとなり、マリッジブルーを引き起こす可能性があります。

将来への漠然とした不安

結婚は、個人としての人生から、パートナーと共に歩む人生へと変わることを意味します。それに伴い、将来に対する考え方や責任も変化します。

  • 結婚生活の具体的なイメージが掴めない: 結婚という形は決まったものの、日々の生活が具体的にどのように変わるのかイメージできず、漠然とした不安を感じることがあります。家事分担、休日の過ごし方など、細かい部分でのすり合わせができていない場合に特に起こりやすいです。
  • 経済的な見通し: 二人の家計をどう管理していくのか、貯金や将来的な出費(住宅購入、子育てなど)について、明確な計画がない場合に経済的な不安を感じやすくなります。
  • 子育てやキャリアとの両立: 特に女性の場合、結婚後のキャリアプランや、将来的に子どもができた場合の仕事との両立について、どのようにしていくのかを考える中で不安を感じることがあります。男性も、子育てへの関わり方や、家族を養う責任に対するプレッシャーを感じることがあります。
  • 責任が増えることへのプレッシャー: 一人ではなく二人で人生を築いていくという責任、そして将来的に家族が増える可能性を考えると、その重圧に押しつぶされそうになる人もいます。

具体的な計画やイメージが lacking なまま結婚準備を進めていると、こうした漠然とした不安が募りやすくなります。

相手への不信感や疑問

結婚準備期間は、お互いの価値観や考え方の違いが浮き彫りになりやすい時期でもあります。

  • 価値観の違いの露呈: 結婚式のスタイル、お金の使い方、家事の分担など、具体的な事柄について話し合う中で、お互いの価値観が違うことに気づき、本当にこの相手と一生一緒にいられるのかと不安を感じることがあります。
  • 相手の欠点や癖が気になり始める: 結婚という「ゴール」が見えてきたことで、これまで気にならなかったパートナーの欠点や癖が急に目につくようになり、許せなくなってしまうことがあります。
  • 本当に一生一緒にいたい相手なのかという疑念: 一時的な感情の揺れなのか、それとも本当に結婚相手としてふさわしくないと感じているのか分からなくなり、深刻な疑念を抱くこともあります。
  • 過去の恋愛との比較: 「前の恋人だったらこうだったな」「あの時別れなければ良かったかも」など、無意識のうちに過去の恋愛相手や独身時代の自由な自分と比較してしまい、パートナーへの不満や疑問につながることがあります。

結婚という大きな決断を前に、本当にこの相手で間違いないのか、と立ち止まって考えるのは自然なことですが、それが過度な不信感につながるとマリッジブルーが悪化する原因となります。

独身生活への未練

結婚は、良くも悪くも独身時代の生活に区切りをつけることを意味します。

  • 自由な時間やお金がなくなることへの寂しさ: 好きな時に好きな人と遊びに行ったり、趣味に没頭したり、お金を自由に使うことが難しくなることへの寂しさや抵抗感を感じることがあります。
  • 自分の親や実家から離れることへの感傷: これまで支えてくれた家族や慣れ親しんだ実家を離れることに対する感傷や、親を寂しい思いをさせてしまうのではないかという罪悪感を感じることもあります。
  • 友達との関係性の変化への不安: 結婚後、友達と会う頻度が減るのではないか、独身の友達と話が合わなくなるのではないか、といった人間関係の変化に対する不安を感じることがあります。
  • 趣味や仕事への影響: 結婚によって、これまでの趣味や仕事への取り組み方に変化が必要になるのではないか、という懸念を持つ人もいます。

独身時代の自由や人間関係を大切にしていた人ほど、結婚による変化への適応に時間がかかり、マリッジブルーを感じやすくなる傾向があります。

あなたは大丈夫?マリッジブルー【診断】チェックリスト

もしかして私もマリッジブルーかも?と感じている方のために、簡単なチェックリストを用意しました。以下の項目に、この1ヶ月間くらいで当てはまるものがいくつあるか数えてみましょう。

チェック項目 はい いいえ
結婚式の準備が憂鬱に感じる、または全くやる気にならない
パートナーの些細な行動や言動にイライラすることが増えた
本当にこの人と結婚して良いのか、急に不安になったり疑問に感じたりする
結婚後の生活(お金、家事、親戚付き合いなど)を考えると気が重くなる
独身時代の自由な時間が終わってしまうことを寂しく感じる
理由もなく気分が落ち込む、または憂鬱な気分が続く
夜眠れない、または朝早く目が覚めてしまうなど、睡眠に問題がある
食欲がない、または食べすぎてしまうなど、食欲に変化がある
頭痛、胃痛、体がだるいなど、体の不調を感じることが増えた
結婚やパートナーについて、信頼できる人に相談したい気持ちがある
結婚に関する話から無意識に避けている自分がいる
結婚に対する「幸せなはず」という理想と現実のギャップを感じる
将来に対する漠然とした不安(お金、キャリア、子育てなど)が頭から離れない
結婚後、自分の趣味や友達との時間がなくなるのではないかと心配になる
パートナーとのコミュニケーションが以前よりスムーズにいかないと感じる

チェックの数に応じた目安:

  • 0~3個: あまり心配ありませんが、結婚準備の疲れなどからくる一時的なストレスの可能性はあります。
  • 4~7個: マリッジブルーの兆候が見られます。一人で抱え込まず、気分転換やパートナーとの話し合いを心がけましょう。
  • 8個以上: マリッジブルーの可能性が高いです。症状が重い場合は、パートナーや信頼できる人に相談したり、必要に応じて専門家(カウンセラーなど)のサポートを検討したりしましょう。

※注意点: このチェックリストはあくまで目安であり、医学的な診断を行うものではありません。ご自身の状態について不安がある場合は、専門家にご相談ください。

マリッジブルーになりやすい人の【特徴】

マリッジブルーは誰にでも起こりうる可能性のあるものですが、特定の性格や状況にある人がよりマリッジブルーを感じやすい傾向があると言われています。

真面目で責任感が強い人

結婚という人生の大きな責任を非常に真剣に受け止めるタイプの人です。

  • 理想が高い: 結婚生活や夫婦のあり方について、高い理想を持っているため、現実とのギャップに悩んだり、理想通りにいかないことに失望したりしやすい傾向があります。
  • 「こうあるべき」という固定観念: 「結婚したら妻(夫)はこうあるべき」「家庭とはこういうものだ」といった固定観念が強いと、その枠に自分やパートナーを当てはめようとして苦しくなったり、そうできないことに不安を感じたりします。
  • 責任を重く捉えすぎる: 結婚後の役割や責任(家計管理、家事、子育てなど)について、一人で全てを背負い込まなくてはならないと感じてしまい、そのプレッシャーに押しつぶされそうになることがあります。

真面目さゆえに、結婚に対して完璧を求めすぎてしまい、その理想と現実のギャップに苦しんでしまうことが多いです。

環境の変化が苦手な人

新しい環境や未知の状況に対して、強いストレスや不安を感じやすいタイプの人です。

  • 新しい環境への適応に時間がかかる: 引っ越しや新しい生活スタイル、新しい家族との関係構築など、慣れない環境に馴染むまでに時間がかかり、その過程で強いストレスを感じやすいです。
  • 予測できない事態への対応が苦手: 結婚準備や結婚生活では、予期せぬ出来事や計画通りに進まないことも多々あります。こうした予測できない事態に柔軟に対応するのが苦手だと、不安や混乱が増しやすくなります。
  • ルーチンワークを好む: 安定した日常や慣れ親しんだルーチンを好む人は、結婚による大きな変化によってペースが乱されることにストレスを感じやすい傾向があります。

結婚はまさに「変化の連続」であるため、環境の変化が苦手な人にとってはマリッジブルーを感じるリスクが高まります。

自分で抱え込みやすい人

自分の感情や悩みを周囲に相談するのが苦手で、一人で考え込んでしまうタイプの人です。

  • 悩みを打ち明けられない: 結婚への不安やパートナーへの不満などを、恥ずかしい、心配をかけたくないといった理由から、パートナーや友人、家族に素直に打ち明けられず、一人で抱え込んでしまいます。
  • ネガティブな思考に陥りやすい: 一人で考えているうちに、どんどんネガティブな方向に思考が向かってしまい、抜け出せなくなってしまうことがあります。「もしかして自分だけがおかしいのでは」と孤立感を感じることもあります。
  • 感情の表現が苦手: 不安や不満といった感情をうまく言葉にしたり、泣いたり怒ったりといった形で表現したりするのが苦手だと、感情が内側に溜め込まれてしまい、精神的・身体的な不調として現れやすくなります。

誰にも相談できずに一人で苦しんでいると、マリッジブルーの症状は悪化しやすい傾向があります。

【男性・女性別】マリッジブルーの特徴

マリッジブルーは、男女問わず起こりうるものですが、性別によって不安を感じやすいポイントや、症状の現れ方に傾向の違いが見られることがあります。これは、社会的な役割や期待、結婚生活における役割分担などに対する考え方の違いが影響していると考えられます。

女性特有のマリッジブルー

一般的に、結婚や結婚式の準備において、女性が主体となることが多い現状があり、それに伴うプレッシャーを感じやすい傾向があります。

  • 名字の変化と手続き: 入籍による姓の変更に伴う様々な手続き(運転免許証、銀行口座、パスポートなど)の煩雑さや、それに伴う自分自身のアイデンティティの変化への戸惑いは、特に女性が感じやすい不安です。職場での旧姓使用の問題なども含まれます。
  • 結婚式の準備のプレッシャー: 結婚式のスタイル決め、ゲストリスト作成、引き出物選びなど、結婚式の準備において女性が中心となって進めることが多いため、その責任や周囲からの期待に対するプレッシャーを感じやすいです。パートナーとの意見の違いによるストレスも生じやすいです。
  • 新しい家族(義両親など)との関係: パートナーの家族、特に義両親との関係を良好に築けるか、良いお嫁さんとして受け入れてもらえるか、といった新しい人間関係への不安は多くの女性が抱えやすい悩みです。
  • 仕事と家庭の両立、出産・育児への不安: 結婚後のキャリアをどう築いていくか、将来的に子どもができた場合の仕事との両立、出産・育児に対する体力的な不安や経済的な懸念は、女性にとって現実的な問題としてマリッジブルーの原因となりやすいです。
  • シンデレラ願望と現実のギャップ: 「結婚すればすべてが幸せになる」といったシンデレラ願望を抱いていた場合、結婚準備の現実(お金の問題、パートナーの欠点など)を目の当たりにした時に、そのギャップに打ちのめされ、強い失望感を感じることがあります。

女性の場合、人生のライフイベントとしての結婚による変化や、それに伴う社会的・個人的な責任の増加に対する不安が中心となることが多いようです。

男性のマリッジブルー

男性のマリッジブルーは、女性に比べて表面化しにくい、あるいは別の形で現れることがあります。経済的な責任や「一家の大黒柱」としてのプレッシャーを感じやすい傾向があります。

  • 経済的なプレッシャー: 「家族を養っていかなくてはならない」「住宅ローンや教育費など、将来かかるお金を稼げるだろうか」といった、経済的な責任やプレッシャーを強く感じることが、男性のマリッジブルーの大きな原因の一つです。
  • 「大黒柱」としての責任感: 家族を守り、支えていくという「大黒柱」としての役割や責任を意識し、その重圧に苦しむことがあります。
  • 自由な時間や趣味の時間がなくなることへの抵抗感: 結婚後、自分の時間やお金を自由に使うことが難しくなることへの寂しさや抵抗感を感じる男性も少なくありません。友人との付き合い方や趣味を続けることへの不安も含まれます。
  • 妻の家族との関係構築への不安: 妻の家族、特に舅となる相手との関係構築に不安を感じたり、どのように接すれば良いか悩んだりすることがあります。
  • 結婚準備への関わり方の違い: 結婚式の準備などにおいて、パートナーとの温度差や関わり方の違いから、すれ違いや軋轢が生じ、ストレスを感じることがあります。「任せている」つもりでも、それがパートナーに負担をかけていると感じる場合に、自己嫌悪や罪悪感につながることもあります。

男性の場合、感情を内に秘めやすい傾向があるため、マリッジブルーの症状として、イライラ、無口になる、一人で過ごす時間が増える、といった形で現れることもあります。女性に比べて「弱音を吐きにくい」という社会的な側面も影響していると考えられます。

ただし、これらの特徴はあくまで一般的な傾向であり、個人の性格や置かれている状況によってマリッジブルーの原因や症状は大きく異なります。大切なのは、性別に関わらず、抱えている不安や悩みを認識し、適切に対処していくことです。

マリッジブルーの【乗り越え方・対処法】

マリッジブルーは、結婚という大きな節目を迎える前に、自身の心と向き合い、パートナーとの関係性を見つめ直す良い機会と捉えることができます。適切な対処を行うことで、不安を乗り越え、より前向きな気持ちで結婚を迎えることができるでしょう。ここでは、本人とパートナー、それぞれができる対処法を紹介します。

本人向け対処法

マリッジブルーを感じている本人が、自身の気持ちを整理し、不安を和らげるためにできることはたくさんあります。

  • 一人で抱え込まない: これが最も重要です。抱えている不安や悩みを、信頼できる友人、家族、または結婚経験のある先輩などに話してみましょう。話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になることがあります。意外と多くの人がマリッジブルーを経験していることを知り、安心できるかもしれません。誰にも話せない場合は、専門家(カウンセラーや心理士)に相談することも有効です。
  • パートナーと正直に話し合う: 抱えている不安や疑問、パートナーへの不満などを、感情的にならずに冷静に伝えましょう。「〇〇な時に、私はこう感じて不安になった」のように、自分の気持ちを主語にして伝えることが大切です。パートナーに話すことで、相手もあなたの気持ちを理解し、一緒に解決策を考えてくれるかもしれません。この話し合いを通じて、二人の関係性がより深まることもあります。
  • 完璧を目指さない: 結婚式の準備や新生活の準備において、「完璧にしなければ」「皆に喜んでもらわなければ」と気負いすぎると、プレッシャーが大きくなります。多少の妥協は必要だと割り切り、二人が納得できる形で進めることが大切です。結婚生活も同じで、「理想の夫婦像」に囚われすぎず、二人らしいスタイルを見つけていく柔軟な姿勢を持ちましょう。
  • 独身時代の過ごし方を見直す: 残り少ない独身期間を後悔なく過ごすための計画を立ててみましょう。これまで我慢していたこと(行きたかった場所への旅行、高価な買い物、友達との集まりなど)を実行するのも良いでしょう。独身生活を満喫することで、自然と「結婚も良いものだ」と思えるようになることがあります。
  • リフレッシュする時間を作る: 結婚準備に追われる中で、心身ともに疲れてしまうこともマリッジブルーの原因となります。意識的に休息を取り、リフレッシュする時間を作りましょう。好きな音楽を聴く、映画を観る、散歩をする、趣味に没頭するなど、自分が心からリラックスできることを行いましょう。温泉旅行やエステなども効果的かもしれません。
  • 具体的な計画を立てる: 将来への漠然とした不安は、具体的に考えることで和らぐことがあります。パートナーと一緒にお金のこと(家計管理の方法、貯金計画)、住む場所、仕事、子育てについてなど、具体的な計画を立ててみましょう。計画を立てる過程で、お互いの考えを確認し合い、共通認識を持つことができます。
  • ポジティブな面に目を向ける: マリッジブルーの時期は、ネガティブな面にばかり目が行きがちです。意識的に、なぜこの人と結婚したいと思ったのか、パートナーのどんなところが好きか、結婚後に楽しみにしていることなどを改めて考えてみましょう。結婚を決めた時の幸せな気持ちや、パートナーへの愛情を再確認することが、不安を打ち消す力になります。
  • 健康的な生活を心がける: 睡眠不足や栄養バランスの偏りは、精神的な不安定さを助長します。規則正しい生活を送り、バランスの取れた食事を心がけましょう。適度な運動もストレス解消に効果的です。

パートナー向け対処法

マリッジブルーは、本人だけでなく、パートナーの理解と協力が不可欠です。パートナーがマリッジブルーの兆候を見せている場合、どのように寄り添い、支えれば良いのでしょうか。

  • 相手の気持ちに寄り添う: マリッジブルーは、わがままや愛情不足からくるものではないことを理解しましょう。相手の不安や悩みを否定せず、「大変だね」「辛いね」など、まずは共感する姿勢を見せ、話を聞いてあげましょう。アドバイスよりも、ただそばにいて話を聞いてくれる存在であることの方が重要です。
  • 原因を一緒に探る: 相手が何に不安を感じているのか、具体的に聞き出しましょう。「どんなことが心配?」「何か手伝えることはある?」など、優しく問いかけてみてください。原因が分かれば、それに対する解決策を一緒に考えることができます。
  • 結婚準備を分担する: 結婚式の準備や新生活の準備など、どちらか一方に負担が偏っていないか見直しましょう。できること、得意なことを分担し、協力して進めることで、相手の負担を減らすことができます。一緒に準備を進める過程で、コミュニケーションも深まります。
  • 「大丈夫だよ」という安心感を与える: パートナーの不安に対して、「俺(私)がいるから大丈夫だよ」「二人ならきっと乗り越えられるよ」など、ポジティブな言葉で励まし、支えていることを伝えましょう。いつでも味方であることを伝えることが、相手の安心感につながります。
  • 感謝の気持ちを伝える: 普段から「いつもありがとう」「頑張っているね」など、パートナーへの感謝の気持ちを言葉で伝えるようにしましょう。感謝の気持ちを伝え合うことは、二人の関係を良好に保ち、お互いを思いやる気持ちを育む上で非常に重要です。
  • 二人の時間を作る: 結婚準備に追われて忙しい時期だからこそ、意識的に二人でリラックスできる時間を作りましょう。一緒に美味しいものを食べに行く、映画を観る、近場に旅行するなど、結婚準備とは関係のない、二人だけの楽しい時間を持つことが大切です。結婚後の楽しいイメージを共有する時間にもなります。
  • 自分の気持ちも伝える: パートナーを支えることは大切ですが、あなた自身も結婚という大きな変化を前に様々な感情を抱いているはずです。一人で抱え込まず、あなた自身の気持ちや不安も、パートナーに正直に話してみましょう。お互いの気持ちをオープンにすることで、理解が深まり、支え合う関係を築くことができます。

マリッジブルーは、二人で協力して乗り越えるべき課題です。お互いを思いやり、支え合うことで、結婚前の不安を解消し、より絆を深めることができるでしょう。

マリッジブルーで【結婚を迷う・やめたい】と感じたら

マリッジブルーの症状が重く、「本当にこの人と結婚して良いのだろうか」「いっそのこと結婚をやめてしまいたい」と強く感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、これは結婚という大きな決断を前にした一時的な感情なのか、それとも結婚そのものに関わる根本的な問題なのかを慎重に見極めることが重要です。

一時的な感情か、根本的な問題か見極める

結婚準備のストレスや疲れ、環境の変化への戸惑いなどからくる一時的な感情の場合、マリッジブルーが落ち着けば不安も和らぎ、「やっぱりこの人と結婚したい」という気持ちに戻ることが多いです。しかし、以下のような場合は、一時的な感情ではなく、結婚そのものに関わる根本的な問題が隠れている可能性があります。

  • パートナーとの価値観の致命的な違い: 結婚に関する重要な価値観(お金の使い方、家族観、仕事観、子育て観など)が大きく異なり、話し合っても歩み寄ることができない場合。
  • パートナーへの信頼の欠如: パートナーの言動によって、どうしても信頼することができないと感じる場合。約束を守らない、隠し事をするといったことが続いている場合など。
  • 結婚相手として尊敬できない: 将来を共に歩む相手として、尊敬の念を持つことが難しいと感じる場合。
  • ドメスティックバイオレンス(DV)やモラルハラスメント(モラハラ)の兆候がある: パートナーから精神的・肉体的な暴力や嫌がらせを受けている、またはその兆候が見られる場合。
  • どうしても受け入れられない問題がある: 例:パートナーの借金癖、異性関係のだらしなさ、ギャンブル依存など、自分にとってどうしても受け入れられない問題がある場合。

これらの問題は、結婚後にさらに深刻化する可能性があります。一人で抱え込まず、信頼できる第三者(家族、親友、カウンセラーなど)に相談し、客観的な意見を聞くことが非常に重要です。状況によっては、弁護士に相談することも視野に入れる必要があるかもしれません。

婚約破棄を考える前に

「結婚をやめたい」という気持ちが強い場合でも、感情的な勢いで婚約破棄という結論を出すのは避けましょう。婚約破棄は、本人たちだけでなく、両家の家族や関係者にも大きな影響を与えるデリケートな問題です。婚約破棄を考える前に、以下の点を考慮し、慎重に行動しましょう。

  • 時間をかけて慎重に考える: 不安な気持ちになったら、まずは一度立ち止まり、冷静に考える時間を作りましょう。結婚式の準備などを一時的にストップするのも良いかもしれません。十分な休息をとり、心身をリフレッシュすることも大切です。
  • パートナーと腹を割って徹底的に話し合う: 結婚への不安や「やめたい」と感じる理由を、パートナーに正直に全て伝えましょう。感情的にならず、冷静に、かつ真剣に話し合うことが重要です。パートナーもあなたの気持ちを知ることで、初めて問題の深刻さに気づき、解決に向けて努力してくれるかもしれません。この話し合いを通じて、二人の関係性や、結婚に対する覚悟を再確認できることもあります。
  • 必要であれば専門家に相談する: 二人だけでの話し合いでは解決が難しい場合や、感情の整理がつかない場合は、専門家(夫婦カウンセラー、臨床心理士など)のサポートを検討しましょう。第三者が間に入ることで、冷静に状況を整理し、建設的な話し合いを進めることができる場合があります。法的問題が絡む場合は、弁護士に相談しましょう。
  • 後悔のない選択をする: 結婚は人生において非常に大きな決断です。もし、結婚への不安が根本的な問題に起因しており、解決が難しいと判断した場合、婚約破棄という選択肢もゼロではありません。その決断を下すことが、将来的な不幸を防ぐために必要な場合もあります。大切なのは、周囲の意見に流されるのではなく、ご自身の心と向き合い、後悔のない選択をすることです。ただし、その決断に至るまでには、十分な検討と関係者への配慮が必要です。

マリッジブルーによって結婚を迷うことは、決して恥ずかしいことではありません。それは、結婚という未来に対して真剣に向き合っている証拠です。ご自身の気持ちと丁寧に向き合い、パートナーと話し合い、必要であれば専門家のサポートを得ながら、後悔のない選択をしてください。

マリッジブルーと【離婚】の関係性

マリッジブルーを経験した人は離婚しやすい、という話を耳にすることがありますが、必ずしもそうとは限りません。マリッジブルーと離婚の間に、直接的で単純な相関関係があるという科学的な根拠はありません。

むしろ、マリッジブルーを経験し、それを乗り越える過程で、以下のようなポジティブな側面があると考えられます。

  • お互いの理解が深まる: マリッジブルーの期間に、パートナーと自分の不安や悩みを正直に話し合い、お互いの価値観や考え方を深く理解する機会が得られます。これは、結婚後の生活で発生する様々な問題に対処していく上での強固な基盤となります。
  • 問題解決能力が向上する: マリッジブルーの原因となった不安や問題について、二人で協力して考え、解決策を見つけ出す経験は、結婚後に困難に直面した際に、二人で力を合わせて乗り越える練習になります。
  • より強い絆を築ける: 不安な時期にパートナーが寄り添ってくれた、支えてくれたという経験は、相手への感謝の気持ちを育み、二人の間に強い信頼関係と絆を築くことにつながります。
  • 結婚に対する覚悟が固まる: マリッジブルーを通じて、結婚の現実的な側面や責任について深く考え、それでもこの人と共に生きていきたいという気持ちを再確認することで、結婚に対する覚悟がより一層固まります。

このように、マリッジブルーは、結婚生活が始まる前に、二人の関係性や将来について真剣に話し合い、向き合うことができる貴重な機会となり得ます。マリッジブルーを乗り越えることで、結婚後も困難に立ち向かえる力や、より円満な夫婦関係を築くためのスキルを身につけることができるとも言えるでしょう。

一方で、マリッジブルーの期間に感じた不安や疑問を無視したり、パートナーと適切に話し合わずに結婚に踏み切ったりした場合、結婚後に同じ問題が再燃したり、より深刻化したりするリスクはあります。結婚前の不安の根本原因が、パートナーシップにおける重要な問題(価値観の不一致、信頼関係の欠如など)であった場合、結婚後もそれが解消されずに、最終的に離婚につながる可能性はあります。

したがって、マリッジブルーそのものが離婚の原因になるのではなく、マリッジブルーという形で現れた結婚前の不安や問題を、どのように認識し、対処したかどうかが、結婚後の関係性に影響を与えうると考えるのが適切でしょう。マリッジブルーは、結婚生活をより良くするための「準備期間」や「見直しの機会」として前向きに捉えることが大切です。

まとめ

「マリッジブルーとは」というテーマで、その定義から症状、原因、診断、なりやすい人の特徴、男女別の違い、そして乗り越え方や結婚を迷う場合の考え方まで詳しく解説しました。

マリッジブルーは、結婚という人生の大きな変化を前に、誰にでも起こりうる自然な感情の揺れ動きです。結婚相手への愛情がなくなったわけでも、結婚したくないわけでもありません。新しい環境への適応、将来への不安、パートナーとの関係性、独身生活への未練など、様々な要因が複雑に絡み合って生じます。精神的な症状だけでなく、体の不調として現れることもあります。

マリッジブルーを乗り越えるためには、まずご自身がマリッジブルーである可能性を認識することが第一歩です。そして、一人で抱え込まず、信頼できる友人や家族に相談したり、パートナーに正直に気持ちを伝えたりすることが非常に重要です。パートナーも、相手の不安に寄り添い、一緒に原因を探り、結婚準備を分担するなど、協力的な姿勢を示すことが大切です。

もしマリッジブルーの症状が重く、結婚そのものを迷うほどであれば、それは一時的な感情なのか、それとも結婚生活に影響を与える根本的な問題なのかを慎重に見極める必要があります。感情的な勢いで結論を出さず、パートナーと徹底的に話し合い、必要であればカウンセラーなどの専門家のサポートも検討しましょう。

マリッジブルーは、結婚後の人生を二人でどのように歩んでいくのか、お互いの価値観や考え方を深く理解するための貴重な機会です。この期間にしっかりと向き合い、乗り越えることで、より強固な絆で結ばれた夫婦関係を築き、幸せな結婚生活を送ることができるでしょう。結婚前の不安は、二人で未来をより良くするためのステップだと捉え、前向きに取り組んでみてください。

免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を代替するものではありません。個人の状況は多岐にわたるため、具体的な症状や悩みについては、医師や心理士、カウンセラーなどの専門家にご相談ください。

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