MENU
コラム一覧

頭がぼーっとするふわふわの原因と対処法|もしかして病気?

頭がぼーっとふわふわする症状は、多くの方が経験する不快な感覚です。まるで現実感が薄れたような、地に足がつかないような感覚に襲われ、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。この症状は、単なる一時的な疲れから、体の不調、さらには隠れた病気が原因で起こることもあります。そのため、「なぜ自分は頭がぼーっとふわふわするのだろう?」と不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。この記事では、頭がぼーっとするふわふわ感の様々な原因、考えられる病気、そしてご自身でできる対処法や、医療機関を受診する際の目安、何科を受診すべきかについて、詳しく解説します。

目次

頭がぼーっとするふわふわした症状とは?

「頭がぼーっとする」「ふわふわする」といった感覚は、医学的にはめまい浮動感(ふゆうかん)として表現されることがあります。しかし、いわゆる「ぐるぐる回るようなめまい」とは異なり、以下のような曖昧で表現しにくい症状として感じられることが多いのが特徴です。

  • 集中力が続かない、思考がまとまらない
  • 頭にモヤがかかったような感覚
  • フワフワと浮いているような、足元がおぼつかない感覚
  • 現実感が薄い、夢の中にいるような感覚
  • めまいのようだが、回転するわけではない
  • 体のバランスが不安定に感じる

これらの症状は、一時的なものから慢性的に続くものまで様々で、原因も多岐にわたります。日常生活の質を著しく低下させることもあり、原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。

頭がぼーっとするふわふわ感の主な原因

頭がぼーっとするふわふわ感は、特定の病気だけでなく、私たちの普段の生活習慣や心身の状態によって引き起こされることが非常に多くあります。以下に、主な原因を詳しく見ていきましょう。

睡眠不足や疲労によるもの

私たちの脳と体は、睡眠中に休息と修復を行っています。十分な睡眠が取れない状態が続くと、脳機能が低下し、集中力の低下や注意力の散漫が起こりやすくなります。これが「頭がぼーっとする」という感覚につながることがあります。また、肉体的な疲労が蓄積すると、全身の血行が悪くなったり、自律神経のバランスが崩れたりすることがあり、その結果としてふわふわとした感覚を覚えることがあります。

メカニズム:
睡眠不足は脳の前頭前野の活動を低下させると言われています。この部分は、思考、判断、集中力などを司る重要な領域です。活動が低下することで、物事をはっきり考えられなくなったり、注意が散漫になったりし、「頭がぼーっとする」と感じやすくなります。また、疲労時には筋肉の緊張が高まったり、血管が収縮したりすることで血行不良が起こりやすく、脳への血流が一時的に低下することも、ふわふわ感や立ちくらみのような症状を引き起こす一因となります。

ストレスや精神的な要因

現代社会では、ストレスは切っても切り離せない存在です。仕事、人間関係、将来への不安など、様々なストレスは私たちの心だけでなく、体にも大きな影響を与えます。強いストレスを感じると、体は緊張状態になり、自律神経のうち交感神経が優位になります。この状態が続くと、心拍数の増加、血圧の上昇、筋肉の緊張、胃腸の働きの低下など、全身に様々な反応が起こります。

特に、不安緊張が強い状況では、呼吸が浅くなったり速くなったり(過換気)することがあります。これにより、血液中の二酸化炭素濃度が低下し、脳の血管が収縮して一時的に血流が悪くなることがあります。これが、頭がぼーっとしたり、手足がしびれたり、ふわふわするような感覚を引き起こすことがあります。また、慢性的なストレスは自律神経のバランスを崩し、後述する自律神経失調症の原因となることもあり、これもふわふわ感の大きな原因となり得ます。

自律神経の乱れとの関係

自律神経は、私たちの意志とは関係なく、心臓の動き、血圧、体温調節、消化、呼吸など、生命維持に必要なあらゆる身体機能をコントロールしています。自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経の二つの系統があり、これらがバランスを取りながら働いています。

しかし、ストレス、不規則な生活、睡眠不足、疲労、環境の変化などが原因で、この自律神経のバランスが崩れることがあります。特に、現代人は慢性的なストレスや夜型の生活習慣により、交感神経が優位になりがちな状態が続くと、様々な不調が現れます。自律神経の乱れは、血圧や心拍数の調節機能に影響を与えるため、立ちくらみやめまい(ふわふわ感を含む)、動悸、息切れ、頭痛、倦怠感、不眠、消化不良など、全身の多様な症状を引き起こします。頭がぼーっとするふわふわ感も、自律神経の乱れによって血行や脳への酸素供給が不安定になることで起こりやすい症状の一つです。

血行不良や低血圧・高血圧

脳は、全身に供給される血液の約20%を消費すると言われています。脳への血流が十分でないと、脳が酸素や栄養を十分に受け取れず、機能が低下して頭がぼーっとしたり、思考力が鈍ったりします。

血行不良:
体の冷え、運動不足、長時間の同じ姿勢、喫煙、動脈硬化など様々な要因で全身の血行が悪くなることがあります。特に首や肩周りの筋肉が凝り固まると、脳へ向かう血管が圧迫され、脳血流が低下することがあります。

低血圧:
特に若い女性に多い症状ですが、血圧が慢性的に低い状態や、急に立ち上がった際に血圧が大きく低下する起立性低血圧は、脳への血流が一時的に不足し、立ちくらみやふわふわとしためまい、頭がぼーっとする感覚を引き起こしやすいです。

高血圧:
逆に高血圧の場合も、血管に負担がかかり続け、動脈硬化が進むリスクが高まります。脳の血管が硬くなったり狭くなったりすると、血流が不安定になり、ふわふわ感やめまいを感じることがあります。また、高血圧の治療薬の中には、副作用としてめまいやふらつきを引き起こすものもあります。

眼精疲労や脳疲労

現代はパソコンやスマートフォンを使う時間が長く、眼精疲労を訴える人が増えています。目の筋肉を酷使し続けると、目の奥が痛むだけでなく、肩や首の凝り、頭痛を引き起こすことがあります。さらに、視覚情報処理を担う脳の領域にも負担がかかり、脳疲労を引き起こす可能性があります。

眼精疲労や脳疲労が蓄積すると、視覚情報の処理能力が低下したり、脳全体が疲弊したりして、集中力が低下したり、物事がはっきり見えづらくなることでバランス感覚が不安定になり、ふわふわとした感覚を覚えやすくなります。特に、画面を長時間見続けた後に立ち上がったり、遠くを見たりした際に症状を感じやすいことがあります。

食生活や水分不足(何が足りない?)

私たちの体は、毎日の食事から活動に必要なエネルギーや栄養素を得ています。偏った食生活や無理なダイエットなどで特定の栄養素が不足すると、体の様々な機能に影響が出ます。

水分不足:
水分が不足すると、血液量が減少し、血圧が下がったり、血行が悪くなったりします。特に夏場の脱水や、風邪などで発熱して水分が失われやすい時には、立ちくらみやふわふわしためまいを感じやすくなります。

鉄分不足:
女性に多いですが、鉄分が不足すると貧血になります。貧血になると、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが減少し、全身、特に脳への酸素供給が不十分になります。これにより、息切れ、倦怠感、顔色が悪くなるといった症状に加え、頭がぼーっとする、めまいやふらつきを感じやすくなります。

ビタミンやミネラル:
ビタミンB群やマグネシウムなどの特定のビタミンやミネラルは、神経機能やエネルギー代謝に重要な役割を果たしています。これらの栄養素が不足すると、神経系の働きが不安定になったり、脳機能が十分に発揮できなくなったりして、ふわふわ感や倦怠感につながることがあります。

糖分:
食事を抜いたり、極端な糖質制限をしたりすると、血糖値が急激に低下することがあります(低血糖)。脳は主にブドウ糖をエネルギー源としているため、低血糖になると脳機能が低下し、頭がぼーっとする、集中できない、冷や汗、手の震えといった症状が現れることがあります。

更年期による影響

更年期は、女性では閉経を挟んだ前後約10年間を指し、卵巣機能の低下に伴い女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく変動する時期です。男性にも、テストステロンの分泌が低下する男性更年期が存在します。

ホルモンバランスの変動は、自律神経のバランスにも大きな影響を与えます。そのため、ホットフラッシュ(ほてり)、発汗、動悸といった血管運動神経症状に加え、めまいやふわふわ感、頭痛、倦怠感、不眠、気分の落ち込みなど、自律神経失調症と似た様々な症状が現れることがあります。更年期のふわふわ感は、ホルモン変動による自律神経の乱れや、それに伴う血行の変化などが複合的に関連していると考えられます。

頭がぼーっとするふわふわ感で考えられる病気・疾患

単なる生活習慣やストレスだけでなく、頭がぼーっとするふわふわ感は、体のどこかに潜む病気のサインである可能性もあります。特に、症状が長く続いたり、他の症状を伴ったりする場合は注意が必要です。

浮遊性めまい

ふわふわする、体が宙に浮いているような感覚、足元がおぼつかない感じなど、特定の回転感がないめまいを浮遊性めまいと呼びます。これは、平衡感覚を司る内耳や脳の障害、あるいは自律神経の乱れ、精神的な要因など、様々な原因で起こります。原因が特定できない場合も少なくありませんが、時には以下に挙げるような特定の疾患の症状として現れます。

良性発作性頭位めまい症

突然、頭の位置を変えたときに(寝返りをうつ、起き上がる、上を向くなど)短時間(数十秒〜1分程度)の回転性めまいが起こるのが典型的な症状ですが、人によってはふわふわとしためまいとして感じられることもあります。内耳の三半規管に剥がれ落ちた耳石が入り込むことで起こると考えられており、特定の頭の動きで誘発されるのが特徴です。

メニエール病

めまい、難聴、耳鳴り、耳閉感(耳が詰まった感じ)という四つの症状が同時に、または時間差で起こる病気です。めまいは激しい回転性めまいとして起こることが多いですが、発作の合間や軽症の場合には、ふわふわとした浮遊感や不安定感として感じられることもあります。内耳のリンパ液の異常(内リンパ水腫)が原因と考えられていますが、詳しいメカニズムは不明な部分も多いです。発作を繰り返すことが特徴です。

その他の耳の病気

内耳や平衡神経の異常は、めまいの多くの原因となります。

  • 前庭神経炎: ウイルス感染などにより平衡神経に炎症が起こる病気です。突然強い回転性めまいが起こり、数日続くことがありますが、回復期にはふわふわとした不安定感が残ることがあります。
  • 突発性難聴: 原因不明の突然の難聴ですが、約3割の人にめまいやふわふわ感を伴います。
  • 聴神経腫瘍: 聴神経や平衡神経にできる良性の腫瘍です。進行すると難聴や耳鳴り、めまい(ふわふわ感を含む)が現れます。

脳の病気(脳梗塞、脳腫瘍など)

頭がぼーっとするふわふわ感は、脳の病気のサインである可能性もあり、特に注意が必要です。平衡感覚や意識、運動機能を司る脳幹や小脳に異常があると、めまいやふらつき、体の不安定感が生じやすいです。

  • 脳梗塞・脳出血: 脳の血管が詰まったり破れたりして、脳組織が障害される病気です。めまいやふわふわ感に加え、手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、顔の歪み、意識障害、激しい頭痛、物が二重に見えるといった神経症状が突然現れます。これらの症状を伴う場合は、直ちに救急医療機関を受診する必要があります。
  • 脳腫瘍: 脳にできた腫瘍が、周囲の組織を圧迫したり破壊したりすることで様々な症状が現れます。腫瘍のできた場所によって症状は異なりますが、平衡感覚に関わる部分にできた場合は、めまいやふわふわ感が続くことがあります。進行に伴って頭痛、吐き気、手足の麻痺、けいれん、性格の変化などが現れることもあります。

心臓や血管の病気

心臓がポンプとして血液を全身に送り出す機能が低下したり、血管に異常があったりする場合も、脳への血流が不安定になり、ふわふわ感やめまいが生じることがあります。

  • 不整脈: 心臓のリズムが乱れる病気です。心拍数が極端に速くなったり遅くなったり、不規則になったりすると、脳への血流が一時的に低下し、ふわふわ感、立ちくらみ、動悸、息切れなどを感じることがあります。
  • 心不全: 心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなる状態です。倦怠感、息切れ、むくみといった症状に加え、脳血流の低下により頭がぼーっとしたり、ふらつきを感じたりすることがあります。
  • 起立性調節障害: 思春期の子供や若い女性に多く見られる自律神経の病気です。立ち上がった際に血圧がうまく調節できず低下するため、立ちくらみやめまい(ふわふわ感)、頭痛、倦怠感、朝起きられないといった症状が現れます。

貧血

前述の「食生活や水分不足」の項でも触れましたが、貧血は病気としてとらえることも重要です。特に鉄欠乏性貧血は一般的な原因ですが、消化器からの出血、月経量の多さ、妊娠、特定の病気(腎臓病、がんなど)が原因で貧血になることもあります。貧血により脳への酸素供給が低下すると、頭がぼーっとしたり、めまいやふらつきを感じたりします。

精神疾患(うつ病、不安障害など)

心の問題が体の症状として現れることは少なくありません。特に、うつ病、不安障害、パニック障害などの精神疾患は、ふわふわとしためまいや浮遊感、頭がぼーっとする感覚を伴うことがあります。

  • うつ病: 気分の落ち込み、意欲の低下、不眠といった心の症状が中心ですが、頭重感、めまい、倦怠感、食欲不振、動悸といった身体症状を伴うことも多いです。脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが関連していると考えられています。
  • 不安障害・パニック障害: 強い不安や恐怖を感じる病気です。パニック発作では、突然の強い恐怖とともに、動悸、息苦しさ、めまい、ふわふわ感、手足のしびれ、冷や汗などが現れます。常に不安を感じている状態(全般性不安障害)でも、慢性的な体の緊張や自律神経の乱れから、ふわふわ感や頭がぼーっとする感覚が続くことがあります。

その他の原因疾患

上記以外にも、様々な病気が頭がぼーっとするふわふわ感の原因となることがあります。

  • 薬剤の副作用: 風邪薬、降圧薬、精神安定剤、睡眠薬など、様々な薬剤が副作用としてめまいやふらつき、眠気を引き起こすことがあります。
  • 甲状腺機能異常: 甲状腺ホルモンは体の代謝を調節しており、その分泌量が過剰になったり不足したりすると、全身に様々な症状が現れます。甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)では動悸、手の震え、体重減少に加え、めまいやふわふわ感を感じることがあります。甲状腺機能低下症では倦怠感、むくみ、寒がりといった症状に加え、脳機能の低下から頭がぼーっとする感覚が現れることがあります。
  • 低血糖: 糖尿病の治療中の方などが、インスリン注射や薬の量、食事や運動のバランスが崩れた際に起こりやすいですが、糖尿病ではない方でも、食後数時間経ってから血糖値が下がりすぎたり(反応性低血糖)、長時間食事をとらなかったりすると起こることがあります。頭がぼーっとする、ふらつき、冷や汗、手の震えなどの症状が現れます。
  • 頸椎の異常: 頸椎(首の骨)の変形や椎間板の異常などにより、首を通る血管や神経が圧迫され、脳への血流が不安定になったり、自律神経に影響を与えたりして、めまいやふわふわ感、頭痛、肩こりなどを引き起こすことがあります(頸性めまい)。

以下に、考えられる病気の一部を症状とともにまとめた表を示します。ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、必ずしもすべての症状が現れるわけではありません。

考えられる病気 主な症状 ふわふわ感との関連
良性発作性頭位めまい症 特定の頭の動きで誘発される回転性めまい(数十秒)、吐き気 回転性めまいが主体だが、ふわふわ感として感じられることも。
メニエール病 めまい(回転性)、難聴、耳鳴り、耳閉感の発作 発作期は回転性めまいが強いが、発作間歇期や軽症時にはふわふわ感。
前庭神経炎 突然の強い回転性めまい(数日続く)、吐き気 回復期にふわふわした不安定感が残ることがある。
脳梗塞・脳出血 片側の手足の麻痺・しびれ、ろれつ障害、顔の歪み、意識障害、激しい頭痛、物が二重に見えるなど(突然発症) 脳幹・小脳病変でめまい・ふわふわ感。他の神経症状を伴う場合は緊急性が高い。
不整脈 動悸、息切れ、胸部不快感、失神、立ちくらみ 心拍異常による脳血流低下で、ふわふわ感や立ちくらみ。
起立性調節障害 立ちくらみ、めまい(ふわふわ感)、頭痛、倦怠感、朝起きられない、吐き気(起立時) 起立時の血圧低下による脳血流低下が原因。
貧血 倦怠感、息切れ、顔色不良、動悸、爪がもろい、異食症(氷を食べたくなるなど) 脳への酸素供給不足による。
うつ病 気分の落ち込み、意欲・興味の低下、不眠・過眠、食欲不振・過食、倦怠感、集中力低下、自責感、希死念慮 身体症状としてふわふわ感、頭重感などを伴うことがある。
不安障害・パニック障害 過剰な不安、動悸、息苦しさ、発汗、震え、吐き気、手足のしびれ、めまい(ふわふわ感)、非現実感、死の恐怖など 自律神経の過剰な反応、過換気などにより生じる。
甲状腺機能亢進症 動悸、発汗、体重減少、手の震え、眼球突出、イライラ 代謝亢進による体の負担、自律神経への影響でめまい・ふわふわ感。
甲状腺機能低下症 倦怠感、むくみ、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥、眠気、集中力低下 脳機能の低下から頭がぼーっとする感覚。
低血糖 冷や汗、手の震え、動悸、空腹感、脱力感、集中力低下、頭がぼーっとする、意識障害 脳へのブドウ糖供給不足による。

頭がぼーっとするふわふわ感の自分でできる対処法・セルフケア

原因が病気によるものでない場合や、病院を受診するほどではないと感じる軽度の症状の場合は、ご自身の生活習慣を見直すことで改善が期待できます。以下に、ご自身でできる対処法やセルフケアを紹介します。

十分な睡眠と休息をとる

睡眠不足や疲労は、脳と体の機能を低下させ、自律神経のバランスを崩す大きな原因です。日々の生活で質の高い十分な睡眠をとることを心がけましょう。

  • 規則正しい生活:
    毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように努めましょう。休日も、平日との差を1〜2時間以内にとどめると、体内時計が乱れにくいです。
  • 睡眠環境:
    寝室は暗く静かにし、快適な温度・湿度に保ちましょう。寝具も自分に合ったものを選びましょう。
  • 寝る前の準備:
    寝る前にカフェインやアルコールを避け、軽いストレッチやぬるめのお風呂に入るなど、リラックスできる習慣を取り入れましょう。寝る直前のスマートフォンやパソコンの使用は、脳を覚醒させてしまうので控えましょう。
  • 昼休憩:
    疲労を感じたら、無理せず休憩を挟みましょう。短い昼寝(20〜30分程度)は午後の集中力を高めるのに有効ですが、長時間寝すぎると夜の睡眠に影響することがあります。

ストレスを解消する方法

ストレスは自律神経の乱れや心身の緊張を引き起こし、ふわふわ感の原因となります。自分に合ったストレス解消法を見つけることが重要です。

  • 趣味やリラックス:
    好きな音楽を聴く、読書をする、映画を見る、絵を描く、手芸をするなど、夢中になれる趣味を持つことは気分転換になります。アロマセラピーや入浴、軽いマッサージなどもリラックス効果があります。
  • 適度な運動:
    後述しますが、運動はストレス解消に非常に効果的です。
  • 友人や家族との交流:
    悩みを話したり、楽しい時間を共有したりすることで、心の負担が軽減されます。
  • マインドフルネスや瞑想:
    現在に意識を向け、呼吸に集中するなどの方法で、心の波立ちを鎮め、リラックス効果を高めることができます。
  • 自然に触れる:
    公園を散歩したり、自然の中で過ごしたりすることは、心を穏やかにし、リフレッシュ効果が期待できます。

適度な運動を取り入れる

定期的な運動は、全身の血行を促進し、自律神経の働きを整え、ストレス解消にもつながります。激しい運動である必要はなく、日常生活に無理なく取り入れられるものがおすすめです。

  • ウォーキングやジョギング:
    有酸素運動は心肺機能を高め、血行を改善します。週に数回、30分程度行うことから始めましょう。
  • ストレッチ:
    体の凝りをほぐし、血行を促進します。特に肩や首周りのストレッチは、脳への血流改善に有効な場合があります。
  • ヨガやピラティス:
    体幹を鍛え、姿勢を改善するだけでなく、呼吸法を取り入れることでリラックス効果も得られます。
  • 軽い筋トレ:
    筋肉をつけることで血行が良くなり、基礎代謝も向上します。

無理なく続けられる範囲で、楽しみながら運動を取り入れることが大切です。

食生活を見直す(栄養バランス、水分補給)

栄養バランスの取れた食事は、体と脳が正常に働くために不可欠です。特定の栄養素の不足は、ふわふわ感の原因となることがあります。

  • バランスの取れた食事:
    炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取しましょう。特に、野菜、果物、魚、大豆製品などを積極的に取り入れましょう。
  • 鉄分を意識する:
    鉄分が豊富な食品(レバー、ほうれん草、ひじきなど)を意識的に摂取しましょう。ビタミンCは鉄分の吸収を助けるので、一緒に摂るのがおすすめです。
  • 水分補給:
    脱水は血行不良や低血圧を招き、ふわふわ感の原因となります。のどが渇く前に、こまめに水分を摂りましょう。特に汗をかいた時や乾燥しやすい時期は意識して水分を増やしましょう。
  • 血糖値の急変動を避ける:
    極端な食事制限を避け、規則正しく食事を摂りましょう。甘いものや精製された炭水化物の摂りすぎは、血糖値の急上昇と急降下を招きやすいので注意が必要です。

リラックスする習慣をつける

心身の緊張は、自律神経の乱れや血行不良を招き、ふわふわ感につながることがあります。積極的にリラックスできる時間を作りましょう。

  • 深呼吸:
    不安や緊張を感じた時に、ゆっくりと鼻から息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出す腹式呼吸を行うことで、副交感神経が優位になりリラックス効果が得られます。
  • 入浴:
    ぬるめ(38〜40℃)のお湯にゆっくり浸かることで、全身の血行が促進され、心身の緊張がほぐれます。
  • アロマテラピー:
    ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のあるアロマを利用するのも良いでしょう。
  • 軽いマッサージ:
    肩や首周りのマッサージは、凝りをほぐし血行を改善するのに役立ちます。

目の疲れを癒す

長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による眼精疲労は、頭のぼーっとした感覚や集中力の低下につながります。

  • 定期的な休憩:
    パソコンやスマートフォンの使用中は、1時間に一度は画面から目を離し、遠くを見たり目を休ませたりしましょう。
  • 意識的にまばたき:
    画面に集中しているとまばたきの回数が減り、目が乾燥しやすくなります。意識的にまばたきを増やしましょう。
  • 目の体操:
    目の周りの筋肉を動かす簡単な体操を取り入れるのも効果的です。
  • 温める・冷やす:
    蒸しタオルなどで目を温めることで、目の周りの血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。逆に、炎症が疑われる場合は冷やすことも有効ですが、自己判断せず専門家に相談しましょう。
  • 適切な距離と明るさ:
    画面との距離を適切に保ち、画面の明るさやコントラストを調整しましょう。

これらのセルフケアは、原因が病気によるものでない場合の症状改善や、原因となる病気の治療効果を高めるために有効です。しかし、症状が改善しない場合や、悪化する場合には医療機関を受診することが大切です。

頭がぼーっとするふわふわ感で病院に行く目安

ふわふわする感覚は多くの人が経験する症状ですが、中にはすぐに医療機関を受診すべき危険なサインである場合や、放置せずに専門家へ相談すべき症状である場合もあります。どのような場合に病院に行くべきか、その目安を知っておきましょう。

すぐに受診すべき危険な症状

頭がぼーっとするふわふわ感に加えて、以下のような症状が突然現れた場合は、脳卒中などの重篤な病気の可能性があるため、ためらわずに救急医療機関を受診してください。

  • 手足の麻痺やしびれが片側に起こる
  • ろれつが回らない、言葉が出にくい
  • 顔の片側が歪む
  • 物が二重に見える
  • 歩こうとすると片側に寄ってしまう、まっすぐ歩けない
  • 立っていられないほどの強いめまい(回転性であるかに関わらず)
  • 今までに経験したことのないような激しい頭痛
  • 意識がもうろうとする、反応が鈍い
  • 急に体のバランスが取れなくなった
  • 突然の視力低下や視野の異常

これらの症状は、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)した際に起こりやすい兆候です。発症から治療開始までの時間が重要となるため、一刻も早い受診が必要です。

症状が続く場合や悪化する場合

上記の緊急性の高い症状がない場合でも、以下のような状況では医療機関を受診し、原因を調べてもらうことをおすすめします。

  • ふわふわする感覚が数週間以上続いている
  • 症状が徐々に悪化している
  • 日常生活(仕事、家事、外出など)に支障が出ている
  • 不安やストレスを感じやすい状況にある
  • 他に気になる症状(頭痛、動悸、息切れ、耳鳴り、難聴、倦怠感、体重変化など)を伴う
  • セルフケアを試しても改善が見られない
  • 症状の原因が分からず、強い不安を感じている

これらの場合、単なる疲れやストレスだけでなく、前述したような様々な病気が原因である可能性があります。早期に原因を特定し、適切な治療やアドバイスを受けることで、症状の改善や進行の予防につながります。

頭がぼーっとするふわふわ感は何科を受診すべき?

頭がぼーっとするふわふわ感は様々な原因で起こるため、「何科を受診すれば良いのだろう?」と迷う方も多いでしょう。症状や疑われる原因によって、適切な受診科が異なります。

受診先の選び方

受診科を選ぶ際は、ご自身の症状を振り返り、最も疑われる原因に関連する科を選ぶのが一般的です。しかし、原因がはっきりしない場合は、まずはかかりつけ医がいる内科を受診して相談するか、症状がめまいやふらつきに関係しているようであれば耳鼻咽喉科、神経系の症状が疑われる場合は脳神経内科などを検討すると良いでしょう。迷う場合は、総合病院の総合内科めまい外来がある病院に相談するのも一つの方法です。

脳神経内科・脳神経外科

めまいやふわふわ感が、脳の異常によって引き起こされている可能性を疑う場合に受診を検討します。特に、前述の「すぐに受診すべき危険な症状」を伴う場合は、救急対応可能な脳神経外科のある医療機関を迅速に受診する必要があります。

  • 脳神経内科:
    脳、脊髄、末梢神経、筋肉の病気を専門とする科です。脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、てんかん、パーキンソン病、多発性硬化症など、神経系の病気によって起こるめまい、ふらつき、体の麻痺、しびれ、頭痛などを診察します。
  • 脳神経外科:
    脳や神経系の病気に対して手術が必要な場合に対応する科ですが、診断や検査(CT、MRIなど)も行います。脳腫瘍や、手術が必要な脳血管障害などを診察します。

受診を検討する症状:
手足の麻痺やしびれ、ろれつ障害、物が二重に見える、激しい頭痛、意識障害など、神経系の症状を伴う場合。

耳鼻咽喉科

めまいやふわふわ感の原因として最も多いのは、内耳の異常に関連するものです。そのため、めまいや平衡感覚の異常を強く感じる場合は、まず耳鼻咽喉科を受診するのが一般的です。

  • 専門領域:
    耳鼻咽喉科は、耳、鼻、のど、首の病気を専門とする科です。特に耳の機能、聴覚、平衡感覚に関する病気(メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、突発性難聴など)の診断と治療を行います。
  • 検査:
    聴力検査、眼振検査(目の揺れを調べる)、重心動揺計(体の揺れを調べる)、電気眼振図(ENG)やビデオヘッドインパルステスト(vHIT)など、平衡機能に関する様々な検査が行えます。

受診を検討する症状:
めまいやふわふわ感とともに、耳鳴り、難聴、耳閉感(耳が詰まった感じ)を伴う場合。特定の頭の動きでめまいが誘発される場合。

内科

ふわふわ感が、全身的な病気生活習慣に関連している可能性を疑う場合に受診します。まずはかかりつけ医に相談したい場合や、どの科を受診すべきか判断に迷う場合にも適しています。

  • 専門領域:
    風邪、インフルエンザ、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症)、消化器疾患、呼吸器疾患、貧血、甲状腺疾患など、幅広い内科疾患を診察します。
  • 検査:
    問診、聴診、触診、血圧測定に加え、血液検査、尿検査、心電図、レントゲンなど、全身の状態を把握するための基本的な検査を行います。
  • 連携:
    内科で診察を受けた結果、必要に応じて耳鼻咽喉科や脳神経内科など、他の専門科へ紹介してもらえることもあります。

受診を検討する症状:
原因がよく分からない場合、他の気になる症状(倦怠感、動悸、息切れ、体重変化など)を伴う場合、高血圧や糖尿病などの持病がある場合、飲んでいる薬がある場合。

心療内科・精神科

ストレスや不安、気分の落ち込みなど、精神的な要因が強く関連していると考えられる場合に受診を検討します。

  • 専門領域:
    心療内科は、ストレスなどの心理的な要因によって生じる身体症状(めまい、頭痛、腹痛、動悸など)を主に扱います。精神科は、うつ病、不安障害、パニック障害、統合失調症など、より広範な精神疾患を扱います。ふわふわ感やめまいが、不安障害やうつ病の症状として現れている場合に診断や治療を行います。
  • 治療:
    精神療法(カウンセリングなど)や薬物療法(抗不安薬、抗うつ薬など)を行います。

受診を検討する症状:
強いストレスや不安を感じている、気分の落ち込みが続いている、パニック発作のような症状がある、医師から精神的な要因を指摘された場合。

受診先の選び方のまとめ

ご自身の症状をよく観察し、適切な科を選ぶことで、スムーズな診断と治療につながります。

症状の特徴 主な受診科
耳の症状(耳鳴り、難聴、耳閉感)を伴う、特定の頭の動きで誘発される 耳鼻咽喉科
片側の麻痺・しびれ、ろれつ障害、物が二重に見える、激しい頭痛など、神経症状がある 脳神経内科・脳神経外科(緊急時は救急)
倦怠感、動悸、息切れ、体重変化など全身症状、持病がある、薬を飲んでいる 内科
強いストレス、不安、気分の落ち込みが関連している 心療内科・精神科
どの科に行けばよいか迷う、複数の症状がある かかりつけ医、総合病院の総合内科、めまい外来

まとめ|頭がぼーっとするふわふわ感が続く場合は専門家へ相談

頭がぼーっとする、ふわふわするといった感覚は、多くの方が経験する不快な症状です。その原因は、睡眠不足や疲労、ストレスといった日常的なものから、内耳の病気、脳の病気、全身の病気、精神疾患まで、非常に多岐にわたります。

まずは、ご自身の生活習慣を振り返り、十分な睡眠や休息、ストレスケア、バランスの取れた食事、適度な運動といったセルフケアを試してみることは非常に有効です。これらの対策によって症状が改善することも少なくありません。

しかし、症状が長く続く場合、徐々に悪化する場合、あるいは手足の麻痺や激しい頭痛といった危険な症状を伴う場合は、放置せずに医療機関を受診し、専門家へ相談することが非常に重要です。特に、脳卒中などの命に関わる病気の可能性もゼロではありません。

どの科を受診すべきか迷った場合は、耳の症状があれば耳鼻咽喉科、神経症状があれば脳神経内科、全身的な不調があれば内科、精神的な要因が疑われる場合は心療内科・精神科を検討するか、かかりつけ医や総合病院の総合内科に相談してみましょう。

頭がぼーっとするふわふわ感は、体からの大切なサインかもしれません。ご自身の心と体に耳を傾け、必要に応じて専門家の力を借りることで、原因の特定と適切な対処を行い、快適な日常生活を取り戻しましょう。

免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。特定の症状や病気についてご心配な場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。本記事の情報に基づいた行動によって生じたいかなる結果についても、当方は一切責任を負いません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次