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【20代女性】寝ても寝ても眠いのはなぜ?原因と対策を解説

「寝ても寝ても眠い」と感じる日々。特に仕事や学業、プライベートと多忙な20代女性にとって、この慢性的な眠気は大きな悩みとなり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。しっかり寝たつもりなのに、日中も強い眠気に襲われるのはなぜでしょうか?
その原因は一つではなく、女性特有の体の変化や、現代社会の生活習慣、ストレスなど、様々な要因が複雑に絡み合っている可能性があります。中には、放置できない病気が隠されているケースも。
この記事では、「寝ても寝ても眠い」と感じる20代女性に向けて、考えられる原因から、今日からできる具体的な対策、そして病院を受診すべき目安やタイミングについて、詳しく解説します。あなたのつらい眠気の原因を知り、改善に向けた一歩を踏み出すためのヒントを見つけてください。

女性ホルモンの影響(月経・妊娠)

女性の体は、月経周期に伴い女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌量が大きく変動します。このホルモンバランスの変化が、睡眠や自律神経に影響を及ぼし、眠気を引き起こすことがあります。

  • 月経周期との関連:
    • 黄体期(排卵後から生理開始前): この時期はプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。プロゲステロンには体温を上げる作用や、眠気を誘う作用があるため、眠気を感じやすくなります。PMS(月経前症候群)の症状の一つとして、強い眠気や倦怠感が出る人も少なくありません。
    • 生理中: 月経に伴う出血により、体内の鉄分が失われやすくなります。これにより貧血状態になりやすく、倦怠感や疲労感とともに眠気が強く現れることがあります。また、生理痛による睡眠の質の低下も日中の眠気につながります。
  • 妊娠初期: 妊娠初期は、プロゲステロンやhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)といったホルモンが急激に増加します。特にプロゲステロンの影響で強い眠気やだるさを感じることが非常に多いです。これは体が妊娠を維持するために変化している正常な反応ですが、日常生活に支障が出るほどの眠気に悩む女性も少なくありません。

これらのホルモンの変動は、生理的なものであり多くの女性が経験することですが、眠気の程度には個人差があります。自身の月経周期と眠気のパターンを把握することで、対策を立てやすくなるでしょう。

睡眠不足と睡眠の質の低下

「寝ても寝ても眠い」と感じているにも関わらず、実際には必要な睡眠時間が確保できていなかったり、睡眠の質が悪かったりすることがあります。

  • 絶対的な睡眠時間の不足: 仕事、勉強、家事、趣味、友人との付き合いなど、20代は非常に活動的です。そのため、つい睡眠時間を削ってしまい、慢性的な睡眠不足に陥っているケースがよく見られます。体の回復や脳の休息には一定の時間が必要です。
  • 睡眠の質の低下: 寝床にいる時間は長くても、以下のような理由で睡眠の質が低下している可能性があります。
    • 寝付きが悪い(入眠困難): 考え事をしてしまう、体が緊張している、カフェインやアルコールの影響など。
    • 夜中に目が覚める(中途覚醒): トイレ、物音、暑い・寒い、不安など。
    • 朝早く目が覚める(早朝覚醒): ストレス、体内時計の乱れなど。
    • 眠りが浅い(熟睡感がない): 睡眠サイクルが乱れている、睡眠環境が悪いなど。
    • 寝る直前のスマホ・PC利用: 画面から発せられるブルーライトは脳を覚醒させてしまい、寝付きを悪くしたり睡眠を浅くしたりします。
  • 体内時計の乱れ: 不規則な生活リズム(夜勤、交代勤務、連日の夜更かし、休日の寝だめなど)は、体内時計を乱し、本来眠るべき時間帯に眠れず、日中に強い眠気に襲われる原因となります。特に20代は、社会生活やライフスタイルの変化でリズムが崩れやすい年代です。

睡眠は単に休息するだけでなく、日中の活動で疲れた脳と体を修復し、記憶の整理や定着、ホルモンバランスの調整、免疫機能の維持など、様々な重要な役割を担っています。睡眠時間だけでなく、その質にも意識を向けることが重要です。

ストレスや疲労

精神的なストレスや、仕事・学業による肉体的な疲労も、強い眠気の大きな原因となります。

  • ストレスと睡眠: ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ(交感神経が優位になる)、心拍数や血圧が上昇し、脳が覚醒状態になってしまいます。これにより、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりして、睡眠の質が低下します。夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」も、ストレスが原因で起こりやすい症状です。
  • 疲労と眠気: 長時間の労働や勉強、激しい運動などで体が疲弊すると、体は休息を求め、強い眠気を感じるようになります。しかし、過度な疲労はかえって寝付きを悪くすることもあり、結果として睡眠不足に陥り、さらに眠気が増すという悪循環に陥ることもあります。
  • 脳疲労: 情報過多な現代社会では、脳が常に多くの情報を処理しており、脳疲労も蓄積しやすくなっています。脳疲労は集中力の低下、判断力の鈍化、そして強い眠気として現れることがあります。

20代は、新しい環境への適応(就職、転職、引っ越しなど)、人間関係の変化、将来への不安など、ストレスを感じやすいライフステージです。ストレスを全くなくすことは難しいですが、上手にマネジメントする方法を身につけることが、眠気対策としても有効です。

生活習慣の乱れ

日々の生活習慣が、知らないうちに眠気を悪化させていることがあります。

  • 不規則な食事: 食事時間や内容が不規則だと、体内時計のリズムが乱れやすくなります。特に、寝る前の食事やカフェイン・糖分の過剰摂取は、睡眠を妨げる原因となります。
  • 運動不足: 適度な運動はストレス解消や睡眠の質向上に繋がりますが、運動不足だと体力が低下し、疲れやすくなり、それが眠気につながることがあります。また、運動不足は血行不良を招き、全身の倦怠感を引き起こす可能性もあります。
  • 喫煙・飲酒: 喫煙は血管を収縮させ血行を悪くするだけでなく、ニコチンに覚醒作用があるため、睡眠を妨げます。アルコールは一時的に眠気を誘いますが、睡眠の途中で覚醒作用が現れ、睡眠を浅くしてしまうため、結果的に睡眠の質を低下させます。
  • カフェインの過剰摂取: 眠気を覚ますためにコーヒーやエナジードリンクを頻繁に摂取していると、カフェインの覚醒作用が長時間続き、夜間の睡眠を妨げます。また、カフェインが切れると反動で強い眠気に襲われることもあります。

これらの生活習慣は、一つ一つは小さなことのように思えても、積み重なることで心身に大きな影響を与え、慢性的な眠気を引き起こすことがあります。

自律神経の乱れ

自律神経は、呼吸、心拍、体温調整、消化、そして睡眠・覚醒など、体の様々な機能をコントロールしています。自律神経は「活動」を司る交感神経と「休息」を司る副交感神経から成り立っており、この二つのバランスが崩れると、体に様々な不調が現れます。

  • 自律神経の乱れと睡眠: ストレス、不規則な生活、生活習慣の乱れなどによって自律神経のバランスが崩れると、本来リラックスして休息モードに入るべき夜間に交感神経が優位になったり、活動モードに入るべき日中に副交感神経が優位になったりします。これにより、夜は眠れないのに日中は強い眠気に襲われる、といった状態になります。
  • 症状: 自律神経の乱れによる症状は眠気だけでなく、頭痛、肩こり、めまい、動悸、息苦しさ、胃腸の不調、冷え、イライラ、不安感など多岐にわたります。「なんとなく体の調子が悪い」と感じる場合、自律神経の乱れが原因かもしれません。

自律神経の乱れは、前述したストレス、疲労、生活習慣の乱れとも密接に関わっています。これらの原因が複合的に作用し、自律神経のバランスを崩している可能性が高いです。

目次

もしかして病気?注意すべき疾患

「寝ても寝ても眠い」という症状が、単なる生活習慣の乱れや一時的な疲労ではなく、何らかの病気のサインである可能性もゼロではありません。特に、生活習慣を改善しても眠気が続く場合や、眠気以外にも気になる症状がある場合は注意が必要です。

睡眠障害(過眠症など)

睡眠障害は、睡眠に関する様々な問題を抱える病気の総称です。日中の過度な眠気を主症状とする睡眠障害もあります。

  • ナルコレプシー: 日中に突然耐え難い眠気に襲われ、場所を選ばずに眠ってしまう病気です。情動脱力発作(強い感情の動きに伴って体の力が抜ける)、入眠時幻覚、睡眠麻痺(金縛り)などを伴うこともあります。脳内のオレキシンという神経伝達物質の不足が関わっていると考えられています。
  • 特発性過眠症: 夜間に十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず、日中に強い眠気があり、覚醒を維持することが困難な病気です。寝起きが悪く、目覚めるのに時間がかかる「睡眠慣性」が特徴的な場合もあります。
  • 睡眠時無呼吸症候群: 睡眠中に何度も呼吸が止まる、または浅くなる病気です。これにより睡眠が中断され、脳や体に酸素が十分供給されず、夜間の睡眠の質が著しく低下します。その結果、日中に強い眠気や倦怠感、集中力の低下などを引き起こします。いびきがひどい、家族から睡眠中に息が止まっていると言われた、という場合はこの病気の可能性も考えられます。
  • むずむず脚症候群(Restless Legs Syndrome, RLS): 寝ようとすると脚に不快な感覚が現れ、じっとしていられなくなる病気です。脚を動かすと症状は軽減しますが、この不快感のために寝付きが悪くなったり、夜中に目が覚めたりして、睡眠不足となり日中の眠気につながります。

これらの睡眠障害は専門的な診断と治療が必要です。強い眠気で日常生活に支障が出ている場合は、睡眠専門外来や精神科に相談することが推奨されます。

貧血

特に女性に多い病気の一つが貧血、その中でも鉄欠乏性貧血です。月経による出血、偏った食事、無理なダイエットなどが原因で体内の鉄分が不足し、酸素を全身に運ぶヘモグロビンが十分に作られなくなることで起こります。

  • 貧血と眠気: ヘモグロビンが不足すると、全身の細胞に酸素が十分に行き渡らなくなり、酸欠状態になります。これにより、体のだるさ、疲れやすさ、息切れ、めまい、顔色が悪いといった症状に加え、脳への酸素供給が不足することで強い眠気や集中力の低下が生じます。
  • 20代女性と貧血: 月経量が多い、ダイエットで食事制限をしている、肉類をあまり食べないといった食習慣がある20代女性は、貧血になりやすい傾向があります。健康診断などで貧血を指摘されたことがある方は、眠気の原因として貧血を疑ってみる必要があります。

貧血は血液検査で診断できます。内科や婦人科で相談し、鉄剤の服用や食事指導などの治療を受けることで、改善が期待できます。

甲状腺機能低下症

甲状腺は、体の代謝を調節する甲状腺ホルモンを分泌する臓器です。甲状腺機能低下症は、この甲状腺ホルモンの分泌が不足する病気です。

  • 甲状腺機能低下症と眠気: 甲状腺ホルモンが不足すると、全身の代謝が低下します。エネルギー産生が滞り、体が常に省エネモードになるような状態となり、その結果、強い疲労感、体の冷え、むくみ、皮膚の乾燥、便秘、そして強い眠気やだるさといった症状が現れます。気分が沈んだり、物忘れがひどくなったりすることもあります。
  • 診断と治療: 血液検査で甲状腺ホルモンの値を調べることで診断できます。甲状腺ホルモン剤を服用することで、症状は劇的に改善することが多い病気です。内科や内分泌内科を受診しましょう。

うつ病などの精神疾患

精神的な問題が、体の症状として現れることもあります。特にうつ病は、気分の落ち込みや興味・関心の喪失といった精神症状だけでなく、睡眠障害(不眠が多いですが、過眠の場合もある)、食欲不振または過食、倦怠感、集中力低下、そして強い疲労感や眠気を伴うことがあります。

  • うつ病と過眠: うつ病の症状として、一日中寝ていたいほど強い眠気を感じる「過眠型うつ病」というタイプもあります。朝起きられない、日中も体が重くて動けない、といった症状が見られます。
  • その他の精神疾患: 適応障害、不安障害、双極性障害なども、睡眠リズムの乱れや疲労感、集中力低下に伴う眠気を引き起こすことがあります。

単なる「眠い」だけでなく、気分の落ち込み、以前楽しかったことへの興味がなくなる、食欲がない、何もやる気が起きない、といった症状が2週間以上続く場合は、精神科や心療内科に相談することを検討しましょう。

その他の可能性のある病気

上記以外にも、強い眠気を引き起こす可能性のある病気はいくつかあります。

  • 糖尿病: 血糖値が高い状態が続くと、全身の血管や神経にダメージを与え、疲労感やだるさ、強い眠気を引き起こすことがあります。
  • 慢性疲労症候群: 強い疲労感が6ヶ月以上続き、休息によっても改善しない病気です。筋肉痛、関節痛、頭痛、微熱、リンパ節の腫れ、思考力・集中力の低下といった症状に加え、睡眠障害や強い眠気を伴います。
  • 感染症(回復期): 風邪やインフルエンザなどの感染症にかかった後、体が回復する過程で強い眠気を感じることがあります。これは体がエネルギーを回復に集中させているためです。
  • 薬剤の副作用: 一部の薬(抗ヒスタミン薬、精神安定剤、降圧剤など)には副作用として眠気を引き起こすものがあります。服用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。

眠気の原因として考えられる病気は多岐にわたります。自己判断せず、気になる症状がある場合は医療機関を受診することが大切です。

眠気と関連する可能性のある病気と主な症状・受診先

病気の種類 眠気以外の主な症状 関連しやすい原因 受診先(目安)
睡眠障害 突然の眠気、金縛り、幻覚、いびき、睡眠中の呼吸停止 脳の機能、生活習慣、体の構造 睡眠専門外来、精神科
貧血 だるさ、息切れ、めまい、顔色が悪い、爪が割れやすい 月経、偏食、ダイエット 内科、婦人科
甲状腺機能低下症 だるさ、むくみ、冷え、皮膚の乾燥、便秘、気分の落ち込み 自己免疫疾患など 内科、内分泌内科
うつ病などの精神疾患 気分の落ち込み、無気力、食欲不振/過食、集中力低下、不安感 ストレス、遺伝、脳の機能 精神科、心療内科
糖尿病 のどの渇き、頻尿、体重減少/増加、倦怠感 食生活、運動不足、遺伝 内科
慢性疲労症候群 強い疲労(休息で改善しない)、筋肉痛、関節痛、思考力低下 ウイルス感染、免疫異常など(原因不明の場合多) 総合内科、専門外来

※上記は一般的な情報であり、個々の症状や状態によって診断や治療法、最適な受診先は異なります。必ず医師の診断を受けてください。

今日からできる!20代女性のための眠気対策

「寝ても寝ても眠い」というつらい状態を改善するために、まずは生活習慣の見直しから始めてみましょう。すぐにできることから少しずつ取り入れていくことで、眠気が軽減される可能性があります。

睡眠環境と質の改善

睡眠の量だけでなく、質を高めることが重要です。以下の点を意識してみましょう。

適切な睡眠時間とリズム

  • 自分に合った睡眠時間を見つける: 必要な睡眠時間は人それぞれ異なりますが、一般的に20代では7~8時間程度が目安とされています。休日に普段より長く寝てしまう場合は、平日に睡眠時間が不足している可能性があります。自分の体が最も快適に感じる睡眠時間を見つけましょう。
  • 毎日同じ時間に寝起きする: 体内時計を整えるために、平日・休日問わず、できるだけ毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように心がけましょう。特に朝起きる時間を一定にすることが重要です。
  • 朝、太陽の光を浴びる: 起きたらまずカーテンを開けて日光を浴びましょう。太陽の光は体内時計をリセットし、脳を覚醒させる効果があります。
  • 午後の仮眠は短く: どうしても眠い場合は、午後早めの時間に20分程度の短い仮眠を取りましょう。長く寝すぎたり、夕方以降に仮眠を取ったりすると、夜間の睡眠に影響が出ることがあります。

寝室の環境整備

  • 快適な温度と湿度: 寝室の温度は夏は25~26℃、冬は20℃前後、湿度は50%前後が理想とされています。エアコンや加湿器、除湿機などを活用して快適な環境を保ちましょう。
  • 光を遮断する: 眠る際は部屋を真っ暗にしましょう。アイマスクや遮光カーテンなども有効です。豆電球なども避け、暗い環境で眠ることで睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が促進されます。
  • 静かな環境: 騒音が気になる場合は、耳栓を使用したり、ホワイトノイズを流したりするのも良いでしょう。
  • 体に合った寝具を選ぶ: マットレス、枕、布団などが体に合っていないと、体の負担になり睡眠の質が低下します。硬さや素材など、自分にとって快適なものを選びましょう。
  • 寝室は眠るためだけの場所にする: 寝室で仕事や趣味などを長時間行うと、「寝室=活動する場所」と脳が認識してしまい、寝付きが悪くなることがあります。寝室は眠るためだけの場所にするよう心がけましょう。

就寝前の習慣

  • リラックスできる時間を作る: 寝る1~2時間前から、心身をリラックスさせるための習慣を取り入れましょう。ぬるめのお風呂(38~40℃)にゆっくり浸かる、ストレッチや軽いヨガをする、穏やかな音楽を聴く、アロマを焚く、読書(紙媒体)など、自分が心地よいと感じる方法を見つけましょう。
  • 寝る前のカフェイン・アルコール・ニコチンを控える: これらは覚醒作用や睡眠を浅くする作用があるため、寝る数時間前からは摂取を避けましょう。
  • 寝る直前のスマホ・PC利用をやめる: 就寝1時間前からは、スマートフォンの操作やPC作業は避けましょう。ブルーライトは脳を覚醒させてしまいます。どうしても使用する場合は、画面の明るさを抑えたり、ブルーライトカット機能を使ったりするのも効果的です。
  • 寝る前に考え事をしない: 心配事や悩み事を抱えたまま布団に入ると、脳が活性化して眠れなくなることがあります。寝る前に簡単に日記を書いたり、To Doリストを作成したりして、頭の中を整理する時間を持つと良いでしょう。

食事と運動の見直し

体の中から眠気を改善するために、食事と運動の習慣も見直してみましょう。

  • バランスの取れた食事: 栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。特に、脳のエネルギーとなる炭水化物、体の組織を作るタンパク質、ビタミンやミネラルなどを偏りなく摂取することが重要です。
  • 鉄分を意識的に摂取する: 貧血予防のために、鉄分を多く含む食品(レバー、赤身肉、ほうれん草、小松菜、ひじきなど)を意識して食事に取り入れましょう。鉄分の吸収を助けるビタミンCと一緒に摂取すると効果的です。
  • 眠りを助ける栄養素: 睡眠に関わるセロトニンやメラトニンの生成に関わるトリプトファン(乳製品、大豆製品、ナッツ類など)、ビタミンB群(豚肉、レバー、魚など)、マグネシウム(海藻類、ナッツ類など)を含む食品も積極的に摂りましょう。
  • 寝る直前の食事は避ける: 就寝直前に食事をすると、消化活動のために胃腸が働き、睡眠を妨げることがあります。夕食は寝る3時間前までに済ませるのが理想です。
  • 適度な運動習慣: 定期的な運動は、ストレス解消になり、心身のリラックスを促し、夜間の睡眠の質を高める効果があります。ウォーキング、ジョギング、水泳、ヨガなど、自分が楽しめる運動を見つけて週に数回行いましょう。ただし、激しい運動を寝る直前に行うと体が興奮して眠れなくなることがあるため、就寝3時間前までには済ませるのがおすすめです。

ストレスを溜めない工夫

ストレスは眠気の大敵です。日頃からストレスを溜めない工夫をすることが大切です。

  • ストレスの原因を特定する: 何にストレスを感じているのか、具体的に書き出してみましょう。原因が分かれば、対処法を考えやすくなります。
  • リラックスできる時間を作る: 毎日意識的に、自分がリラックスできる時間を作りましょう。好きな音楽を聴く、映画を見る、友人とおしゃべりする、自然の中を散歩するなど、心身が安らぐ活動を取り入れましょう。
  • 休息をしっかり取る: 忙しい日々の中でも、意識的に休息の時間を設けましょう。短い休憩でも構いません。無理せず、自分のペースで進むことが大切です。
  • 適度に体を動かす: 運動はストレス解消に非常に効果的です。軽いストレッチや深呼吸なども、手軽に心身をリラックスさせる方法です。
  • 完璧主義を手放す: すべてを完璧にこなそうとせず、時には「まあいいか」と自分を許すことも大切です。肩の力を抜いて、頑張りすぎないようにしましょう。
  • 人に相談する: 一人で悩みを抱え込まず、信頼できる家族や友人、職場の同僚などに相談してみましょう。話を聞いてもらうだけでも心が軽くなることがあります。
  • プロの力を借りる: ストレスが大きすぎて自分だけでは対処できないと感じる場合は、カウンセリングなども有効な選択肢です。

これらの対策を全て一度に行う必要はありません。まずは一つか二つ、取り組みやすいものから始めてみてください。継続することが大切です。

専門家へ相談する目安と受診先

生活習慣の改善などを試みても「寝ても寝ても眠い」という症状が改善しない場合や、眠気以外にも気になる症状がある場合は、一人で悩まず専門家へ相談することが大切です。

専門家へ相談する目安

以下のような状態が続く場合は、病気が隠れている可能性も考えられますので、医療機関の受診を検討しましょう。

  • 十分な睡眠時間を確保し、睡眠環境や生活習慣を見直しても、強い眠気が続き改善しない(例: 2週間以上続く)。
  • 日中の眠気のために、仕事や学業に集中できない、居眠りをしてしまう、ミスが増えるなど、日常生活に支障が出ている。
  • 眠気以外にも、以下のような症状を伴う。
    • 強いだるさや倦怠感
    • 気分の落ち込み、無気力感、イライラ
    • 体重の急激な変化(増加または減少)
    • めまい、立ちくらみ
    • 動悸、息切れ
    • 体の冷え、むくみ、乾燥
    • 頭痛、肩こり
    • 夜間のいびきや呼吸の乱れを指摘された
    • 脚の不快感(むずむず感)で眠れない
  • 急に強い眠気が現れるようになった。
  • 妊娠の可能性がある。

これらの目安は一般的なものです。少しでも不安を感じる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

受診先

まずはかかりつけ医や、近所の内科を受診するのが良いでしょう。これまでの病歴や現在の症状、生活習慣などを詳しく伝え、医師に相談してください。必要に応じて、以下の専門科への紹介が行われることがあります。

  • 睡眠専門外来: 睡眠障害が疑われる場合に最適です。睡眠ポリグラフ検査などの専門的な検査を行い、ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群などを診断・治療します。
  • 精神科、心療内科: うつ病や不安障害など、精神的な原因による眠気が疑われる場合に相談できます。精神症状や心理状態を評価し、適切な治療を行います。
  • 婦人科: 月経困難症、PMS、妊娠初期など、女性ホルモンの変動による影響が疑われる場合に相談できます。ホルモンバランスの評価や、貧血の検査なども可能です。
  • 内分泌内科: 甲状腺機能低下症など、ホルモンの異常による病気が疑われる場合に専門的な診断・治療を行います。
  • 血液内科: 貧血の程度が重い場合や、原因が特定できない場合に専門的な検査・治療を行います。

オンライン診療という選択肢

最近では、オンライン診療で相談できるクリニックも増えています。忙しくてなかなか病院に行く時間が取れない、自宅の近くに専門医がいない、といった場合でも、スマートフォンやPCを使って自宅から診察を受けることができます。

オンライン診療では、問診や医師との会話を通じて症状を伝え、医師の判断で必要な検査(後日医療機関で受けるなど)や治療法についてアドバイスをもらったり、薬を処方してもらったりすることが可能です。

ただし、オンライン診療には限界もあります。対面診療のように直接体の状態を診てもらうことはできませんし、専門的な検査機器もありません。したがって、診断のためには結局対面での受診が必要になるケースもあります。まずはオンラインで相談してみて、必要に応じて専門医を紹介してもらう、といった流れで利用するのも良いでしょう。

オンライン診療を利用する際は、必ず信頼できる医療機関を選び、保険診療が可能か、どのような疾患に対応しているかなどを事前に確認しましょう。

まとめ:20代女性のつらい眠気、原因を知り適切に対処しましょう

「寝ても寝ても眠い」という症状は、多くの20代女性が経験する可能性のある悩みです。その原因は、女性ホルモンの影響、睡眠不足や質の低下、ストレス、生活習慣の乱れ、自律神経の乱れなど、日常的なものから、貧血や睡眠障害、甲状腺機能低下症、うつ病といった病気まで、多岐にわたります。

まずは、ご自身の生活習慣や月経周期、日々の体の状態などを振り返り、思い当たる原因がないか考えてみましょう。そして、今日からできる睡眠環境の改善、規則正しい生活リズム、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレスマネジメントなどを試してみてください。これらの対策によって、眠気が軽減されるケースは少なくありません。

しかし、生活習慣を改善しても眠気が続く場合や、強いだるさ、気分の落ち込み、体重の変化など、眠気以外にも気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが非常に重要です。病気が隠れている可能性もありますし、早期に発見し適切な治療を受けることで、症状は大きく改善します。

最初は内科を受診し、必要に応じて睡眠専門外来、精神科、婦人科などの専門医を紹介してもらうのが一般的な流れです。最近ではオンライン診療という便利な選択肢もありますので、状況に応じて活用してみましょう。

「寝ても寝ても眠い」というつらい状態を我慢せず、ご自身の心と体の声に耳を傾けてください。原因を正しく理解し、適切に対処することで、きっと日中の眠気から解放され、もっと活動的で充実した毎日を送ることができるはずです。一人で悩まず、専門家の力を借りながら、改善に向けて一歩を踏み出しましょう。

免責事項

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。ご自身の体調に不安がある場合は、必ず医師の診察を受け、専門家にご相談ください。記事の情報によって生じた問題について、当サイトおよび執筆者は一切の責任を負いません。

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