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ドリエルの効果は?睡眠改善薬「ドリエル」を徹底解説!選び方から注意点まで

ドリエルは、一時的に寝付きが悪かったり、眠りが浅いといった症状を改善するために開発された市販薬です。病院で処方される睡眠薬とは異なり、「睡眠改善薬」という位置づけで販売されており、薬局やドラッグストアなどで手軽に購入できます。しかし、「ドリエルって本当に効くの?」「飲んだらどうなるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。ここでは、ドリエルの効果や正しい使い方、服用上の注意点などを詳しく解説し、あなたが安心してドリエルを活用できるようにお手伝いします。

目次

ドリエルとは?期待できる効果と対象

ドリエルは、エスエス製薬が製造販売する指定第2類医薬品の睡眠改善薬です。主な目的は、一時的な不眠症状の緩和です。具体的には、「寝付きが悪い」「眠りが浅い」といった、ストレスや疲れ、生活リズムの変化などが原因で起こる一過性の不眠に対して効果が期待できます。

ドリエルは、病院で処方されるような「不眠症」の治療を目的とした睡眠薬とは異なります。そのため、慢性的、あるいは重度の不眠に悩んでいる方が継続的に使用することは推奨されていません。あくまでも、一時的に睡眠に問題を抱えている成人が対象となります。

主成分「ジフェンヒドラミン塩酸塩」による眠気の仕組み

ドリエルの主成分は、「ジフェンヒドラミン塩酸塩」という成分です。これは、元々アレルギー症状(くしゃみ、鼻水、かゆみなど)を抑える抗ヒスタミン薬の成分として知られています。

抗ヒスタミン薬には、体内でヒスタミンという物質の働きをブロックする作用があります。ヒスタミンは、アレルギー反応に関わるだけでなく、脳内では覚醒を維持する働きもしています。ジフェンヒドラミン塩酸塩は、脳内のヒスタミン受容体にも結合し、ヒスタミンの働きを抑えることで、眠気を引き起こすという副作用があります。

この「眠気を引き起こす作用」を逆手にとって、一時的な不眠を改善する目的で使用されるのがドリエルのメカニズムです。つまり、アレルギーを抑えるための抗ヒスタミン薬としてではなく、その副作用である眠気を利用して睡眠を助ける薬なのです。

脳の活動が鎮静化されることで、リラックスした状態になり、自然な眠りに入りやすくなります。

ドリエルの効果時間と持続

ドリエルを服用する際に気になるのが、「いつ飲めばいいのか」「どれくらいの時間効くのか」ということでしょう。ドリエルの効果時間と持続時間について説明します。

服用から効果発現までの時間

ドリエルは、通常、服用後30分から1時間程度で効果が現れ始めるとされています。ただし、これはあくまで目安であり、効果の発現時間には個人差があります。体調や体質、その日の食事の内容などによって、成分の吸収速度が異なるためです。

例えば、食後に服用した場合や、消化に時間がかかるものを食べた後は、成分の吸収が遅くなり、効果が出るまでに時間がかかることがあります。逆に、空腹時に服用した方が、比較的早く効果が現れやすい傾向があります。

そのため、ドリエルを服用する際は、就寝する直前、または寝付きが悪いと感じたときに服用することが推奨されています。寝る時間に合わせて逆算し、効果が現れてほしいタイミングで服用できるよう調整しましょう。

重要なのは、**「寝ようと思ったけれど眠れない」という一時的な不眠の症状が現れたとき**に服用することです。習慣的に毎日服用したり、特に不眠の症状がないのに服用したりすることは、ドリエルの正しい使い方ではありません。

効果の持続時間

ドリエルの効果の持続時間も、個人差がありますが、一般的には4~6時間程度とされています。これは、主成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩が体内で代謝され、効果が薄れていくまでの時間に基づいています。

眠気を引き起こす作用は、服用後しばらくするとピークに達し、その後徐々に弱まっていきます。そのため、ドリエルを服用して得られる睡眠は、一般的に4~6時間程度が目安となります。

この持続時間は、翌朝に眠気を持ち越さないように配慮されたものと考えられます。持続時間が長すぎると、目覚めた後も眠気やだるさが残る可能性があります。一時的な不眠を改善しつつ、日常生活への影響を最小限に抑えるための設計と言えるでしょう。

ただし、体内で薬の成分が代謝される速度は人によって異なるため、中には翌朝まで眠気が残ってしまう方もいます。特に高齢者や肝機能が低下している方は、薬の代謝が遅くなる傾向があるため注意が必要です。

ドリエルを服用する際は、翌日に影響が出ないように、十分な睡眠時間を確保できる状況で服用することが重要です。例えば、次の日に早朝から活動する必要がある場合や、車の運転など集中力を要する作業を行う予定がある場合は、服用を避けるか、時間に十分な余裕を持って服用する必要があります。

ドリエルの正しい用法・用量

ドリエルの効果を最大限に引き出し、かつ安全に使用するためには、正しい用法・用量を守ることが非常に重要です。

推奨される服用方法とタイミング

ドリエルは、就寝前に服用することが推奨されています。具体的には、寝付きが悪い時や眠りが浅い時に、就寝前に服用します。

服用する際は、水またはぬるま湯と一緒に服用してください。お茶やジュース、アルコールなど、水以外の飲み物で服用すると、薬の吸収に影響が出たり、思わぬ相互作用を引き起こしたりする可能性があります。特に、アルコールと一緒に服用することは絶対に避けてください。

服用するタイミングとしては、就寝直前が良いでしょう。前述の通り、服用後30分~1時間程度で効果が現れ始めることが多いからです。ただし、効果の発現時間には個人差があるため、自分の体質に合わせて調整することも可能です。例えば、1時間前に服用してみて、ちょうど良いタイミングで眠気を感じるようであれば、次回以降も同じタイミングで服用するといった工夫ができます。

重要なのは、「寝ようと思ったけれど眠れない」という一時的な不眠の症状が現れたときに服用することです。習慣的に毎日服用したり、特に不眠の症状がないのに服用したりすることは、ドリエルの正しい使い方ではありません。

一錠だけの服用について

ドリエルは、通常、1回2錠を服用することとされています。しかし、「副作用が心配だから」「軽い眠気で十分だから」といった理由で、**1錠だけ服用したい**と考える方もいるかもしれません。

結論から言うと、添付文書や製品情報に記載されている用法・用量は**1回2錠**です。これは、臨床試験などに基づき、効果と安全性のバランスが最も取れていると考えられている量です。

1錠だけ服用した場合、主成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩の量が半分になるため、期待される効果(眠気)が弱まる可能性があります。個人差があるため、1錠でも十分な眠気を感じる方もいるかもしれませんが、効き目が不十分であったり、効果の発現がさらに遅くなったりすることも考えられます。

また、自己判断で用法・用量を変更することは、予期しない効果や副作用のリスクを高める可能性もゼロではありません。特に、効果がないと感じた場合に「もう1錠追加しよう」と安易に増量することは絶対に避けてください。定められた量以上に服用すると、過量投与となり、強い眠気やめまい、意識障害などの重篤な副作用を引き起こす危険性があります。

もし1回2錠を服用しても効果が感じられない場合は、量を変えるのではなく、薬剤師や登録販売者に相談するか、医療機関を受診することを検討してください。ドリエルが対象としている「一時的な不眠」以外の原因で眠れないのかもしれません。

推奨用量(何錠か)の確認

ドリエルの推奨用量(用法・用量)は、成人(15才以上)は1回2錠を1日1回です。

15才未満の小児には、服用させないでください。小児に対する安全性は確立されていません。

また、連用は避けることとされています。「一時的な不眠」の改善薬であるため、症状が改善されたら服用を中止し、2~3回服用しても症状が改善しない場合は、医師または薬剤師に相談するよう製品の添付文書には明記されています。

なぜ用法・用量を厳守する必要があるのでしょうか?

  • 効果と安全性のバランス: 定められた用法・用量は、効果が期待できる最低限の量でありながら、副作用のリスクが許容範囲内であるように設定されています。
  • 過量投与の危険性: 必要以上に多く服用すると、強い眠気、めまい、吐き気、けいれん、錯乱、呼吸抑制など、重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
  • 依存性のリスク: 抗ヒスタミン薬は直接的な依存性を持つわけではありませんが、薬に頼りすぎる精神的な依存が生じる可能性はあります。また、長期連用によって耐性が生じ、効果が薄れることも考えられます。
  • 基礎疾患の隠蔽: 慢性的な不眠の背景には、別の病気(例:睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、うつ病など)が隠れていることがあります。ドリエルの一時的な服用で症状をごまかしている間に、本来治療が必要な病気の発見が遅れてしまうリスクがあります。

これらの理由から、ドリエルは必ず定められた用法・用量を守り、一時的な不眠症状の緩和にのみ使用し、漫然と連用しないことが極めて重要です。

ドリエルの主な副作用と注意点

ドリエルは市販薬であり、適切に使用すれば比較的安全性の高い薬ですが、全く副作用がないわけではありません。また、服用してはいけない人や、注意が必要な状況があります。

翌日に眠気やだるさが残る可能性

ドリエルの最も一般的な副作用の一つが、翌日に眠気やだるさが残ることです。特に、服用した時間が遅かった場合や、十分な睡眠時間が確保できなかった場合に起こりやすくなります。

これは、主成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩の作用が、体内で完全に代謝され排出される前に目覚めてしまうために起こります。体質によっては、薬の分解・排泄に時間がかかる人もいます。

翌日に眠気が残ると、日中の活動に影響が出ます。特に、車の運転や機械の操作など、集中力や判断力が求められる作業を行う場合は、重大な事故につながる危険性があります。ドリエルを服用した日は、これらの危険を伴う作業は避けるべきです。

もし翌日に眠気が残ってしまった場合は、無理せず休息をとることが大切です。カフェインを摂取して眠気を紛らわせようとする方もいますが、カフェインは睡眠の質をさらに低下させる可能性もあるため、避けた方が良いでしょう。

また、繰り返し翌日に眠気が残るようであれば、体質的にドリエルが合わない可能性も考えられます。その場合は、ドリエルの使用を中止し、薬剤師や登録販売者に相談するか、医師の診察を受けることを検討してください。

服用してはいけないケース(お酒、特定の疾患、妊娠・授乳中など)

ドリエルは、特定の条件下では服用してはいけません。安全に使用するために、以下のケースに該当しないか必ず確認してください。

  • 他の催眠鎮静薬、かぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、鎮咳去痰薬、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬(鼻炎用内服薬、乗物酔い用薬、アレルギー用薬等)を服用している人: これらの薬の中には、ドリエルと同じく眠気を引き起こす成分や、ジフェンヒドラミン塩酸塩と同じ種類の成分が含まれていることがあります。一緒に服用すると、眠気やその他の副作用が強く出過ぎる可能性があります。
  • アルコールを摂取した後や摂取する予定のある人: ドリエルとアルコールの併用は非常に危険です。アルコールは脳の機能を抑制し、眠気を誘う作用があります。ドリエルの眠気を引き起こす作用とアルコールの作用が合わさると、中枢神経系の抑制が強く起こり、意識障害、呼吸抑制などの重篤な副作用を引き起こす可能性があります。ドリエルを服用する際は、飲酒を控えましょう。また、ドリエル服用後しばらくの間も、アルコールの摂取は避けてください。
  • 15歳未満の小児: 前述の通り、小児に対する安全性は確立されていません。
  • 日常的に不眠に悩んでいる人(不眠症): ドリエルは一時的な不眠を対象としており、不眠症の根本的な治療薬ではありません。不眠症の場合は、原因に応じた適切な治療が必要です。
  • 医療機関で治療を受けている人: 持病がある場合や、医師から別の薬を処方されている場合は、ドリエルの成分が病状に影響を与えたり、他の薬との相互作用を起こしたりする可能性があります。必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 高齢者: 高齢者では、薬の代謝・排泄機能が低下していることが多く、副作用(特に眠気、ふらつき、せん妄など)が出やすい傾向があります。少量から試す、服用しないなどの検討が必要です。必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 妊娠または妊娠している可能性のある女性: 妊娠中の服用に関する安全性は十分に確立されていません。動物実験で胎児への影響が報告されている成分もあります。必ず医師に相談してください。
  • 授乳中の女性: ドリエルの成分が母乳中に移行し、乳児に影響を与える可能性があります。授乳中の場合は、服用を避けるか、服用期間中は授乳を中止する必要があります。必ず医師に相談してください。
  • 緑内障、前立腺肥大症のある人: ドリエルの成分は、目の緊張を高めたり、尿の排出を妨げたりする作用がある場合があります。これらの疾患を悪化させる可能性があります。
  • アレルギー体質で、薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人: ドリエルの成分や添加物に対してアレルギー反応を起こす可能性があります。
  • てんかん、またはてんかん様症状を起こしたことがある人: ドリエルの成分が脳の興奮を高め、症状を誘発または悪化させる可能性があります。
  • 排尿困難のある人: 前立腺肥大症と同様に、尿の排出を妨げる可能性があります。
  • 原因がはっきりしない不眠に悩んでいる人: 不眠の背景に、重大な病気が隠れている可能性があります。

これらのケースに当てはまる場合は、自己判断でドリエルを服用せず、必ず医師または薬剤師に相談してください。

他の薬や食品との飲み合わせ

ドリエルを服用する際は、他の薬や食品との飲み合わせにも注意が必要です。

一緒に服用してはいけない薬(併用禁忌)は、前述の「服用してはいけないケース」で挙げた通りです。特に、他の催眠鎮静薬や、眠気を引き起こす成分(抗ヒスタミン剤など)を含む市販薬やかぜ薬、アレルギー用薬などとの併用は、過度の眠気や中枢神経抑制などの副作用を増強させる危険性があります。

注意が必要な飲み合わせ(併用注意)としては、以下のようなものが挙げられます。

  • アルコール: 最も注意すべき飲み合わせです。中枢神経抑制作用が強まります。
  • 一部の食品: 特にカフェインを多く含む飲み物(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)は、覚醒作用があるため、ドリエルの効果を打ち消してしまう可能性があります。また、薬の吸収に影響を与える可能性のある食品もあります。基本的には水またはぬるま湯で服用し、服用前後しばらくは特定の食品を大量に摂取しない方が無難です。
  • セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)含有食品: 一部の抗うつ薬などとの相互作用が知られていますが、ドリエルとの明確な相互作用は報告されていません。しかし、念のため注意が必要な場合があります。

現在他の医療用医薬品や市販薬、健康食品などを服用している場合は、必ずドリエルを購入する際に薬剤師や登録販売者に相談し、飲み合わせに問題がないか確認してもらいましょう。お薬手帳を提示すると、より正確な情報を伝えることができます。

高齢者の服用に関する注意点

高齢者(一般的に65歳以上)がドリエルを服用する際は、特に慎重になる必要があります。高齢者では、様々な生理機能が若年者と比べて低下しているため、薬の効き方や副作用の出方が異なる場合があるからです。

高齢者における注意点は以下の通りです。

  • 薬の代謝・排泄の遅延: 肝臓や腎臓の機能が低下していることが多く、薬の成分が体内に長く留まりやすくなります。これにより、薬の効果が強く出過ぎたり、副作用が長く続いたりする可能性があります。
  • 中枢神経系への影響: 脳機能の変化により、薬の中枢神経抑制作用(眠気、鎮静作用)が強く出やすい傾向があります。
  • 副作用のリスク増加: 眠気だけでなく、ふらつき、めまい、意識の混濁(せん妄)、記憶障害、転倒などの副作用が起こりやすくなる可能性があります。特に夜間にトイレに立つ際などにふらつきによる転倒のリスクが高まることが懸念されます。
  • 他の疾患や併用薬との関連: 高齢者は複数の疾患を抱えていることが多く、様々な薬を服用しているケースが珍しくありません。これらの疾患や薬との相互作用により、ドリエルの効果や副作用が予測不能になるリスクがあります。

これらの理由から、高齢者がドリエルを服用する場合は、自己判断せず、必ず事前に医師または薬剤師に相談してください。医師や薬剤師は、その人の体質や健康状態、服用中の他の薬などを考慮して、ドリエルが適しているか、あるいは他の方法が良いかを判断してくれます。場合によっては、少量から試すなどの指導があるかもしれません。

また、服用中も体調の変化に十分注意し、気になる症状が現れた場合はすぐに専門家に相談することが大切です。

ドリエルが効かないと感じる場合

ドリエルを服用してみたものの、「全く眠くならない」「効果が感じられない」と感じる方もいます。ドリエルが効かない原因はいくつか考えられます。

効果が得られない原因とは?

ドリエルの効果が得られない原因として、以下のようなものが考えられます。

  1. 服用方法の間違い:
    • 服用タイミング: 就寝する直前ではなく、活動している日中に服用してしまったり、早すぎる時間に服用してしまったりすると、寝たい時間に効果がピークにならないことがあります。
    • 服用量: 1回2錠のところを1錠しか飲んでいないなど、推奨用量を守っていない場合があります。(ただし、1錠服用で効果がないからといって量を増やしてはいけません)
    • 一緒に飲むもの: アルコールやカフェインなど、薬の効果を打ち消す、あるいは吸収を妨げる可能性のあるものと一緒に服用している。
  2. 一時的な不眠ではない(不眠症): ドリエルは「一時的な不眠」にのみ効果が期待できる薬です。もし不眠が慢性化(週に3日以上、1ヶ月以上続くなど)している場合は、不眠症の可能性が高く、ドリエルでは効果が得られにくい、あるいは全く効果がないことがあります。不眠症は様々な原因(心理的、生理的、精神医学的、薬理学的など)によって起こるため、その原因に応じた適切な治療が必要です。
  3. 不眠の原因が他にある: ストレスや環境の変化による一時的な不眠ではなく、以下のような別の原因で眠れていない可能性があります。
    • 疾患: 睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、うつ病、不安障害、体の痛みやかゆみなど。
    • 生活習慣: 不規則な生活リズム、夜間のスマホ・PC使用(ブルーライト)、カフェインやニコチンの過剰摂取、運動不足または寝る直前の激しい運動、寝室の環境(騒音、光、温度など)。
    • 他の薬の副作用: 別の病気で服用している薬の中に、覚醒作用があるものや睡眠を妨げるものがある。
  4. 体質的なもの: ごく稀に、ジフェンヒドラミン塩酸塩が効きにくい体質の方もいるかもしれません。

対処法と専門家への相談

ドリエルを服用しても効果が感じられない場合は、以下の対処法を試す、あるいは検討してください。

  1. 服用方法の再確認: まずは、添付文書をよく読み、推奨されている服用方法(タイミング、量、水で飲むことなど)を正しく守れているか確認してください。
  2. 生活習慣の見直し: ドリエルの効果が得られない原因が、不眠を引き起こす生活習慣にある可能性も高いです。
    • 就寝・起床時間を一定にする。
    • 寝る前にカフェインやアルコール、喫煙を避ける。
    • 寝る前にスマホやPCの使用を控える。
    • 寝る前の激しい運動や熱すぎるお風呂を避ける。
    • 寝室の環境を快適にする(暗く、静かで、適切な温度・湿度)。
    • 軽いストレッチやリラックスできる音楽を聴くなど、入眠儀式を取り入れる。
  3. 薬剤師・登録販売者への相談: ドリエルを購入した薬局やドラッグストアで、薬剤師または登録販売者に相談してみてください。「ドリエルを飲んだけど効かなかった」と伝え、いつから不眠に悩んでいるのか、どのような症状か、他に服用している薬はないかなどを詳しく話すと、適切なアドバイスをもらえます。もしかしたら、ドリエルが適さない状況である可能性や、別の睡眠改善薬が合う可能性もあります。
  4. 医療機関への受診: 最も重要な対処法です。
    • 2~3回服用しても効果がない場合
    • 不眠が1ヶ月以上続いている場合(慢性的な不眠)
    • 不眠以外にも体の不調がある場合
    • 不眠の原因に心当たりがない場合

    これらの場合は、市販薬で対応できる一時的な不眠ではない可能性が高いです。不眠症や、不眠を引き起こす別の疾患が隠れている可能性もあるため、必ず医療機関(内科、精神科、心療内科、睡眠専門外来など)を受診してください。医師に相談することで、不眠の正確な原因を診断し、適切な治療を受けることができます。

ドリエルが効かないからといって、自己判断で量を増やしたり、他の睡眠薬と併用したりすることは絶対に避けてください。危険な副作用を引き起こすリスクがあります。

不眠症とドリエル(医療用睡眠薬との違い)

ドリエルは「睡眠改善薬」であり、「不眠症治療薬」ではありません。この違いを理解しておくことは、ドリエルを安全かつ効果的に使用するために非常に重要です。

ドリエルは不眠症に服用できない理由

ドリエルが不眠症の治療薬として承認されていない理由は、以下の通りです。

  • 作用機序の違い: ドリエルの主成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩は、あくまで抗ヒスタミン作用の副作用として眠気を誘発するものであり、不眠症の根本的な原因に直接アプローチする薬ではありません。不眠症は、脳機能の異常、心理的な問題、身体的な病気など、様々な複雑な要因が絡み合って起こります。ドリエルは、その複雑な原因に対して効果を発揮するようには設計されていません。
  • 対症療法的な効果: ドリエルによる眠気は、一時的に脳の活動を抑制することで得られるものであり、不眠の根本原因を取り除くわけではありません。そのため、不眠症に対しては、一時的な気休めにはなるかもしれませんが、継続的な効果や症状の改善は期待できません。
  • 長期連用によるリスク: ドリエルを漫然と長期間使用すると、体が薬に慣れてしまって効果が薄れる(耐性)可能性があります。また、精神的な依存が生じるリスクや、長期使用による予期しない健康への影響も否定できません。不眠症の治療は、医師の管理下で適切に行われるべきであり、長期的な視点での治療計画が必要です。
  • 診断・治療の遅延: ドリエルを不眠症に対して使用し続けると、不眠の背景にある本来治療が必要な病気(睡眠時無呼吸症候群、うつ病など)の発見や治療が遅れてしまう危険性があります。

これらの理由から、ドリエルは「一過性の不眠」に対してのみ使用が認められており、不眠症への使用はできません

医療用睡眠薬との違いについて

病院で医師から処方される医療用睡眠薬は、ドリエルのような市販の睡眠改善薬とは根本的に異なります。主な違いは以下の通りです。

項目 ドリエル(睡眠改善薬) 医療用睡眠薬(医師処方)
主成分 ジフェンヒドラミン塩酸塩(抗ヒスタミン薬の副作用を利用) 様々(ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系、メラトニン受容体作動薬など)
作用機序 ヒスタミン受容体をブロックし眠気を誘発 脳内のGABA受容体などに作用し、脳の活動を抑制するなど、様々なメカニズム
効果 一時的な不眠の緩和(対症療法) 不眠症の治療(原因に応じた根本治療や症状改善)
対象 一時的な不眠に悩む成人 不眠症と診断された患者
購入方法 薬局・ドラッグストアなどで購入可能(指定第2類医薬品) 医師の診察と処方箋が必要
安全性 用法・用量を守れば比較的安全だが、副作用・注意点あり 医師の管理下で使用されるが、依存性や離脱症状のリスクがあるものも
適用期間 短期間(2~3回までを目安に) 症状に応じて医師が判断(短期間から長期間まで)
診断の必要性 自己判断で購入・使用可能(ただし薬剤師等への相談推奨) 医師による不眠の原因診断が必須

医療用睡眠薬は、不眠症の原因や症状の種類(寝付きが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚めるなど)に応じて、様々な種類があり、医師が患者さんの状態に合わせて最適な薬を選択します。作用時間や強さも多様で、不眠のタイプに合わせて使い分けられます。また、医療用睡眠薬の中には、依存性や離脱症状のリスクがあるものもあるため、必ず医師の厳重な管理のもとで使用されます。

慢性的・重度の不眠は医療機関へ

もしあなたが「毎晩のように眠れない」「不眠が1ヶ月以上続いている」「眠れないことによる日中の辛さが大きい」といった、慢性的あるいは重度の不眠に悩んでいるのであれば、迷わず医療機関を受診してください。

前述の通り、不眠の背景には様々な原因が隠れている可能性があります。自己判断で市販の睡眠改善薬を使い続けることは、根本的な解決にならないだけでなく、かえって症状を悪化させたり、隠れた病気の発見を遅らせたりするリスクがあります。

受診する際は、かかりつけの内科医に相談するか、精神科、心療内科、あるいは睡眠専門外来を受診することをおすすめします。医師に、いつから、どのような状況で、どのような不眠症状があるのか(寝付き、中途覚醒、早朝覚醒など)、日中の状態(眠気、だるさ、集中力低下など)、他に気になる体の症状や服用中の薬などを詳しく伝えてください。

医師は、問診や検査を通して不眠の原因を特定し、生活習慣の改善指導、睡眠環境のアドバイス、あるいは必要に応じて適切な医療用睡眠薬の処方など、その人に合った治療法を提案してくれます。

「不眠くらいで病院に行くのは大げさかな…」とためらう必要はありません。睡眠は心身の健康にとって非常に重要です。専門家の力を借りて、質の高い睡眠を取り戻すことが、健康的な毎日を送るための第一歩です。

ドリエルEXとドリエルの違い

ドリエルには、「ドリエル」と「ドリエルEX」という製品があります。どちらも一時的な不眠の緩和を目的とした睡眠改善薬ですが、いくつか違いがあります。

項目 ドリエル ドリエルEX
有効成分 ジフェンヒドラミン塩酸塩 ジフェンヒドラミン塩酸塩
形状 錠剤 カプセル剤
効果発現 服用後30分~1時間程度 ドリエルと同様
持続時間 服用後4~6時間程度 ドリエルと同様
添加物 セルロース、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール、カルナウバロウ ゼラチン、D-ソルビトール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン、酸化チタン、パラベン
価格 ドリエルEXよりやや安価な傾向 ドリエルよりやや高価な傾向
対象 一時的な不眠に悩む成人 一時的な不眠に悩む成人

主な違いは、形状と添加物です。

  • 形状: ドリエルは錠剤ですが、ドリエルEXはカプセル剤です。カプセル剤は、成分の苦みやにおいを感じにくく、錠剤が苦手な方でも比較的飲みやすいというメリットがあります。
  • 添加物: 添加物が異なります。これにより、カプセル剤の形状を実現したり、成分を安定させたりしています。添加物に対するアレルギーや体質がある場合は、成分表を確認することが重要です。

有効成分であるジフェンヒドラミン塩酸塩自体は、ドリエルもドリエルEXも同じです。そのため、期待できる効果や効き方、効果の持続時間、副作用、服用上の注意点(服用してはいけない人や飲み合わせなど)については、基本的に大きな違いはありません。どちらの製品を選ぶかは、主に飲みやすさ(錠剤かカプセルか)や価格、個人的な好みによるでしょう。

どちらの製品を選ぶにしても、用法・用量を守り、一時的な不眠にのみ使用し、連用しないという最も重要な注意点は同じです。購入する際は、パッケージや添付文書をよく確認し、不明な点があれば薬剤師や登録販売者に相談してください。

ドリエルの購入方法と価格帯

ドリエルは、市販薬として多くの場所で購入できます。購入方法と一般的な価格帯について説明します。

購入できる場所

ドリエルは、指定第2類医薬品に分類されるため、以下の場所で購入できます。

  • 薬局: 薬剤師または登録販売者が常駐している薬局。
  • ドラッグストア: 薬剤師または登録販売者が常駐しているドラッグストア。
  • インターネット販売: 薬剤師または登録販売者が情報提供を行う体制があるインターネット販売サイト。

指定第2類医薬品は、副作用や相互作用などのリスクが比較的高いため、購入時には薬剤師または登録販売者から、使用上の注意点や禁忌事項などについて説明を受けることが推奨されます。対面販売の場合は、積極的に相談してみましょう。インターネット販売の場合も、購入手続きの途中で注意喚起が表示されたり、メールなどで情報提供が行われたりします。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットなど、医薬品を取り扱っていない店舗では購入できません。

価格帯

ドリエルの価格帯は、購入する店舗や地域、時期(セールなど)によって多少変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • ドリエル(錠剤)
    • 6錠入り: 1,000円~1,500円程度
    • 12錠入り: 1,800円~2,500円程度
  • ドリエルEX(カプセル剤)
    • 6カプセル入り: 1,300円~1,800円程度
    • 12カプセル入り: 2,200円~3,000円程度

(※上記はあくまで目安であり、実際の販売価格は異なる場合があります。)

ドリエルEXの方が、ドリエル(錠剤)よりもやや価格が高い傾向にあります。これは、カプセル剤の製造コストや添加物の違いなどによるものと考えられます。

価格だけで選ぶのではなく、自分の体質や飲みやすさ、そして何より「一時的な不眠」であるかどうかの状態を考慮して、適切な製品を選ぶことが大切です。購入の際は、遠慮なく薬剤師や登録販売者に相談し、自分に合った選択ができるようにしましょう。

まとめ:ドリエルの効果を理解し正しく活用する

ドリエルは、主成分ジフェンヒドラミン塩酸塩の眠気を誘発する作用を利用した、市販の睡眠改善薬です。「寝付きが悪い」「眠りが浅い」といった、ストレスや疲れなどによる一時的な不眠に効果が期待できます。服用後30分〜1時間程度で効果が現れ始め、4〜6時間程度持続するのが一般的です。

しかし、ドリエルは「不眠症」を治療する薬ではありません。慢性的あるいは重度の不眠に悩んでいる方が継続的に使用することは推奨されません。不眠が続く場合は、不眠症や他の病気が隠れている可能性もあるため、必ず医療機関を受診して原因を特定し、適切な治療を受けることが重要です。

ドリエルを安全かつ効果的に使用するためには、正しい用法・用量を守り、添付文書に記載されている注意点(服用してはいけない人、飲み合わせなど)を厳守することが最も大切です。特に、アルコールとの併用は重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、絶対に避けてください。また、高齢者や持病のある方、妊娠・授乳中の方などは、服用前に必ず医師や薬剤師に相談する必要があります。

ドリエルEXは、ドリエルと同じ有効成分を含むカプセル剤であり、基本的な効果や注意点はドリエルと同様です。どちらを選ぶかは、飲みやすさや価格などを考慮して決めると良いでしょう。

ドリエルは、薬局やドラッグストア、インターネット販売などで購入できます。購入時には、薬剤師や登録販売者に相談し、自分の状態や服用中の薬などについて正確な情報を伝えることで、より安心して使用できます。

ドリエルは、正しく理解し、適切な状況で活用すれば、一時的な不眠を乗り越えるための一助となり得る薬です。しかし、その限界と注意点をしっかりと把握しておくことが、自身の健康を守るために不可欠です。不眠の症状が続く場合は、一人で悩まず、専門家(医師や薬剤師)に相談することを強くお勧めします。

免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、特定の製品の使用を推奨したり、医療行為を代替したりするものではありません。医薬品の使用に関しては、必ず製品の添付文書を確認し、医師、薬剤師、または登録販売者の指導のもと、ご自身の判断と責任において行ってください。

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