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クロチアゼパムでふわふわするめまい|原因と対処法を解説

クロチアゼパム(先発医薬品名:リーゼ)を服用し始めてから、なんだか頭が「ふわふわ」する、足元がおぼつかないといった感覚に不安を感じていませんか。
その症状は、薬による影響かもしれません。

この「ふわふわ」とした感覚は、クロチアゼパムの副作用の一つとして知られる「ふらつき」の可能性があります。
なぜこのような症状が起こるのか、どのように対処すれば良いのか、不安に思うのは当然のことです。

この記事では、クロチアゼパムの服用時に現れる「ふわふわ」感の正体や原因、具体的な対処法、そしていつまで続くのかといった疑問について、詳しく解説していきます。
正しい知識を得て、安心して治療を続けられるようにしましょう。

クロチアゼパムを服用した際に感じる「ふわふわ」という表現は、医学的には「ふらつき」や「めまい感」といった症状に該当することが多いです。
これは、決して珍しい感覚ではありません。

人によって感じ方は様々ですが、主に以下のような症状として現れます。

ふわふわ感(ふらつき)の具体的な症状

  • 雲の上を歩いているような、地に足がついていない感覚
  • 頭がぼーっとして、思考がはっきりしない
  • まっすぐ歩こうとしても、少しよろけてしまう
  • 立ちくらみのような感覚がある
  • めまいとは違うが、なんとなく景色が安定しない感じ

これらの症状は、日常生活に支障をきたすこともあり、特に転倒などのリスクにつながるため注意が必要です。

目次

クロチアゼパムによるふわふわ感は副作用?

結論から言うと、クロチアゼパム服用時のふわふわ感(ふらつき)は、薬の副作用である可能性が高いです。

主な副作用としての「ふらつき」

クロチアゼパムの添付文書(薬の説明書)にも、起こりうる副作用として「眠気、ふらつき、めまい感、頭痛、頭重」などが明記されています。
特に「ふらつき」は、比較的多くの方にみられる副作用の一つです。

この症状は、薬が不安や緊張を和らげるために脳に作用する過程で、意図しない形で現れてしまうものと考えられています。

ふわふわ感(ふらつき)が起こる原因・メカニズム

では、なぜクロチアゼパムを飲むと「ふわふわ」とした感覚が起こるのでしょうか。
その原因は、薬の持つ2つの主な作用に関連しています。

薬の作用と脳への影響

クロチアゼパムは、「ベンゾジアゼピン系」に分類される抗不安薬です。
この薬は、脳内の神経伝達物質であるGABA(ギャバ)の働きを強めることで、興奮した神経を鎮め、不安や緊張を和らげる効果を発揮します。

しかし、この鎮静作用が効きすぎると、脳の活動が全体的に抑制され、結果として頭がぼーっとしたり、注意力が低下したりして「ふわふわ」とした感覚につながることがあります。

筋弛緩作用の関与

クロチアゼパムには、筋肉の緊張をほぐす「筋弛緩作用」もあります。
心身症などで筋肉がこわばっている場合には有効な作用ですが、この効果が必要以上に現れると、体に力が入らない「脱力感」や「ふらつき」として感じられることがあります。
特に足元の筋肉が緩むと、歩行時に不安定さを感じやすくなります。

ふわふわ感(ふらつき)以外に注意すべき副作用

クロチアゼパムには、ふらつき以外にも注意すべき副作用があります。
これらの症状が同時に現れることも少なくありません。

眠気

最も多くみられる副作用の一つです。
特に服用初期に強く感じることがあります。
日中の活動に影響が出るほどの眠気がある場合は注意が必要です。

だるさ

全身の倦怠感や、体が重く感じるだるさも現れることがあります。
これは筋弛緩作用や鎮静作用によるものと考えられます。

口渇

口の中が乾く「口渇(こうかつ)」も、比較的よくみられる副作用です。

その他

上記以外にも、まれに以下のような副作用が報告されています。

  • 便秘
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 長期服用による依存性
  • 急な中断による離脱症状(自己判断での中止は危険です)

気になる症状があれば、どんなに小さなことでも医師や薬剤師に伝えることが大切です。

ふわふわ感(ふらつき)が出やすいタイミングや状況

同じ薬を同じ量だけ飲んでいても、特定の状況下では副作用が出やすくなることがあります。

服用初期

体がまだ薬に慣れていない服用開始直後は、副作用を強く感じやすい時期です。
数日から数週間かけて体が慣れてくると、症状が和らぐこともあります。

用量が多い場合

当然ながら、薬の用量が多いほど作用が強く現れるため、副作用のリスクも高まります。
医師は状態を見ながら適切な量に調整しますが、効果が薄いからといって自己判断で量を増やすのは絶対にやめましょう。

高齢者

高齢の方は、肝臓や腎臓の機能が低下していることが多く、薬の分解・排泄に時間がかかります。
そのため、薬の成分が体内に長く留まりやすく、ふらつきや転倒のリスクが若い人よりも高くなる傾向があります。

飲酒時

アルコールとの併用は非常に危険です。
アルコールにも中枢神経を抑制する作用があるため、クロチアゼパムと一緒に摂取すると、互いの作用を増強し合ってしまいます。
これにより、強い眠気やふらつき、記憶障害、呼吸抑制などを引き起こす可能性があり、大変危険です。
服用期間中の飲酒は必ず避けてください。

ふわふわ感(ふらつき)が出た場合の対処法

実際にふらつきを感じた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
最も重要なのは、自己判断しないことです。

医師または薬剤師への相談

ふらつきが気になる、日常生活に支障が出る、転びそうで怖いなど、少しでも不安を感じたら、必ず処方した医師または薬局の薬剤師に相談してください。
症状の程度や状況を伝えることで、薬の量を調整したり、作用の仕方が異なる別の薬に変更したりといった対応を検討してもらえます。

自己判断での増量・中止は危険

「副作用が辛いから」といって、急に薬をやめてしまうと、かえって強い不安感や不眠、イライラといった「離脱症状」が現れることがあります。
また、「効いていない気がする」と自己判断で量を増やすと、副作用がさらに強く出て危険です。
薬の量の変更は、必ず医師の指示のもとで行ってください。

運転や危険な作業は避ける

ふらつきや眠気がある状態での自動車の運転、機械の操作、高所での作業は、重大な事故につながる恐れがあり、絶対に避けるべきです。
添付文書にも明確に禁止事項として記載されています。

安全を確保する工夫

日常生活の中でも転倒のリスクを減らす工夫をしましょう。

  • 急に立ち上がらず、ゆっくりと動作する
  • 夜中にトイレに起きる際は、足元を照らすライトをつける
  • 階段や浴室には手すりを設置する
  • 床に物を置かず、整理整頓を心がける

ふわふわ感(ふらつき)はいつまで続く?

この不快な症状がいつまで続くのかは、非常に気になる点だと思います。
これは薬の作用時間と関係しています。

薬の効果の持続時間

クロチアゼパムは、ベンゾジアゼピン系の中でも「短時間作用型」に分類されます。
服用後、約1時間で血中濃度がピークに達し、効果を発揮します。
効果の持続時間は比較的短めです。

体から薬が抜けるまでの時間(半減期)

薬の血中濃度が半分になるまでの時間を「半減期」と呼びます。
クロチアゼパムの半減期は約6時間です。
つまり、6時間経つと体内の薬の量が半分に減ります。
完全に体から薬が抜けるには、この半減期の4〜5倍の時間(約24〜30時間)が必要とされています。

ただし、これはあくまで平均的な数値であり、年齢や肝機能など個人差が大きいため、ふらつきが続く時間も人それぞれです。
服用初期にみられた症状が、数日〜数週間で体が慣れて軽減することもあります。

クロチアゼパムはどんな人が飲む薬?(適応疾患)

クロチアゼパムは、主に以下のような病気や症状の治療に用いられます。

適応疾患・症状 説明
不安障害・パニック障害 過度な不安や恐怖、それに伴う動悸や息苦しさなどを和らげます。
自律神経失調症・心身症 ストレスなどによる心身の不調(頭痛、めまい、胃腸症状など)を緩和します。
睡眠障害(寝る前服用の場合) 不安や緊張が原因で眠れない場合に、入眠を助ける目的で処方されることがあります。

このように、心の不安や緊張を和らげ、それに伴う身体的な症状を改善する効果が期待される薬です。

クロチアゼパムのふわふわ(ふらつき)に関するよくある質問(Q&A)

Q. ふわふわ感が強い場合はどうすれば良いですか?

A. ふわふわ感が強く、立っているのが辛い、転倒しそうといった場合は、まず安全な場所に座るか横になってください。
その上で、可能な限り早く処方医または薬剤師に電話などで連絡し、指示を仰ぎましょう。
自己判断で様子を見るのではなく、専門家に相談することが最も安全です。

Q. 服用を続けるとふわふわ感はなくなりますか?

A. 個人差がありますが、服用を続けるうちに体が薬に慣れ(これを「耐性」といいます)、ふわふわ感が軽減したり、なくなったりするケースは多くあります。
しかし、症状がずっと続く場合や、生活に支障が出るレベルの場合は我慢せず、医師に相談して薬の調整を検討してもらうことが重要です。

Q. リーゼと他の薬でふらつきやすさは違いますか?

A. リーゼ(クロチアゼパム)は作用時間が短いタイプの薬です。
同じベンゾジアゼピン系の薬でも、作用時間がより長い薬(長時間作用型)や、筋弛緩作用がより強い薬など、様々な種類があります。
どの薬でふらつきが出やすいかは、薬の特性と個人の体質との相性によるため、一概には言えません。
リーゼでふらつきが強い場合、医師が別のタイプの薬への変更を検討することもあります。

まとめ:クロチアゼパムのふわふわ感について不安なら医師・薬剤師へ相談を

クロチアゼパムを服用した際に感じる「ふわふわ」とした感覚は、副作用である「ふらつき」の可能性があります。
その主な原因は、薬の鎮静作用や筋弛緩作用によるものです。

この症状は特に、服用初期、高用量、高齢の方、そして飲酒時に現れやすいため注意が必要です。

最も大切なことは、ふらつきなどの気になる症状が出た際に、自己判断で薬の量を調整したり、服用を中止したりしないことです。
必ず処方してくれた医師や、かかりつけの薬剤師に相談してください。
専門家と相談しながら、あなたに合った方法で安全に治療を続けていくことが、症状改善への一番の近道です。

免責事項:
この記事は、クロチアゼパムの副作用に関する一般的な情報を提供するものであり、医学的なアドバイスに代わるものではありません。
治療に関する決定は、必ず医師や薬剤師の指導のもとで行ってください。

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