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【原因別】いびき対策10選|自宅で簡単にできる治し方

家族やパートナーから「いびきがうるさい」と指摘されたり、自分自身のいびきで目が覚めてしまったりと、いびきに悩んでいませんか?
いびきは睡眠の質を低下させるだけでなく、周りの人の安眠も妨げてしまう厄介な問題です。
さらに、中には病気が隠れている危険ないびきも存在します。

この記事では、いびきの根本的な原因から、今日から自宅で始められる手軽ないびき対策、効果が期待できる対策グッズ、そして病院での専門的な治療法まで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたに合った改善方法が見つかるはずです。
つらい「いびき」を解消し、静かで快適な夜を取り戻しましょう。

なぜいびきは起こるのか?気道との関係

いびきは、睡眠中に空気の通り道である「気道(特に上気道)」が何らかの原因で狭くなり、そこを空気が通過する際に粘膜が振動して発生する音です。

起きている間は筋肉が気道を十分に広げていますが、眠ると全身の筋肉が緩みます。特に、喉や舌の周りの筋肉が緩むことで気道が狭くなりやすい状態になります。
健康な人でも疲れている時などにいびきをかくのはこのためです。
しかし、日常的に大きないびきをかいている場合、気道を狭くする何らかの要因が隠れている可能性が高いと言えます。

いびきの主な原因リスト

いびきの原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。
ご自身の生活習慣や体調と照らし合わせてみましょう。

肥満と体格

体重が増えると、首周りや喉、舌の付け根にも脂肪がつきます。この脂肪が気道を内側から圧迫し、狭くしてしまうため、いびきの大きな原因となります。
また、元々あごが小さい、首が短いといった骨格的な特徴もいびきをかきやすい要因の一つです。

飲酒、喫煙、疲労

アルコールには筋肉を弛緩させる作用があります。就寝前に飲酒をすると、気道周りの筋肉が通常よりも緩み、気道が狭くなりやすくなります。
喫煙は、喉や鼻の粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、気道を狭くする原因になります。
また、極度の疲労やストレスも全身の筋肉の緩みを引き起こし、いびきを悪化させることがあります。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎

花粉症などのアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)があると、鼻づまりが起こりやすくなります。
鼻呼吸がしづらくなると、自然と口呼吸になります。
口呼吸では舌が喉の奥に落ち込み(舌根沈下)、気道を塞ぎやすくなるため、いびきの原因となります。

扁桃腺やアデノイドの肥大

喉の奥にある扁桃腺や、鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃)が大きいと、物理的に気道を狭くしてしまいます。
これは特に子どものいびきの主な原因として知られていますが、大人でも見られることがあります。

加齢による筋力の低下

年齢を重ねると、全身の筋力が低下するのと同様に、喉や舌の筋肉も衰えてきます。
これにより、睡眠中に舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、気道を塞いでしまうため、いびきをかきやすくなります。

寝姿勢(仰向け寝)

仰向けで寝ると、重力によって舌の付け根が喉の奥に落ち込みやすくなります。
その結果、気道が狭くなり、いびきが発生しやすくなります。

目次

今日からできるいびき対策【自力で改善】

いびきの原因がわかったら、次に取り組むべきは具体的な対策です。
病院に行く前に、まずは自力で改善できる方法を試してみましょう。

寝姿勢を工夫する(横向き寝)

最も手軽に始められるのが、寝姿勢の変更です。
仰向け寝がいびきの原因になっている場合は、横向きで寝ることで、舌が喉の奥に落ち込むのを防ぎ、気道を確保しやすくなります。
抱き枕を使ったり、背中にクッションを置いたりして、自然に横向きをキープできるように工夫するのがおすすめです。

いびき対策に効果的な枕の選び方

枕の高さが合っていないと、気道を圧迫する原因になります。

  • 高すぎる枕: 首が不自然に曲がり、気道を狭くします。
  • 低すぎる枕: 口が開きやすくなり、舌が落ち込みやすくなります。

理想は、リラックスして立った時の姿勢を、そのまま横になった時もキープできる高さの枕です。
横向き寝の場合は、肩の高さを考慮し、頭から首、背骨が一直線になる高さのものを選びましょう。
いびき対策専用に設計された枕も市販されているので、検討してみるのも良いでしょう。

生活習慣の見直し

いびきは日々の生活習慣と密接に関わっています。
根本的な改善を目指すなら、生活習慣の見直しが不可欠です。

減量や適正体重の維持

肥満がいびきの原因である場合、減量が最も効果的な対策となります。
バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、首周りの脂肪を減らすことで、気道の圧迫が改善され、いびきの軽減が期待できます。

就寝前の飲酒・喫煙を控える

特に就寝前の3〜4時間の飲酒は避けましょう。
アルコールが体から抜ける時間を確保することで、筋肉の過度な弛緩を防ぎます。
また、禁煙もしくは本数を減らすことも、喉の炎症を抑え、いびき改善につながります。

規則正しい生活と十分な睡眠

不規則な生活や睡眠不足は、疲労を蓄積させ、いびきを悪化させます。
毎日決まった時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保することで、体への負担を減らし、いびきをかきにくい状態を保つことができます。

口周りや舌の筋肉トレーニング(いびき体操)

加齢などで衰えた口周りや舌の筋肉を鍛えることで、舌の落ち込みを防ぎ、いびきを改善する効果が期待できます。
毎日数分でできる簡単なトレーニングなので、ぜひ試してみてください。

【簡単いびき体操の例】

  • 舌を思い切り前に突き出し、5秒キープする。
  • 舌を上に向け、鼻先にくっつけるように伸ばして5秒キープする。
  • 舌を下に向け、あご先にくっつけるように伸ばして5秒キープする。
  • 舌先で口内の歯茎をなぞるように、右回り・左回りにそれぞれ一周する。

これらを1セットとして、1日数回行うのがおすすめです。

鼻呼吸を意識する

普段から口呼吸が癖になっている人は、意識して鼻呼吸に切り替えましょう。
鼻には空気を加湿・加温し、フィルターの役割を果たす機能があります。
意識的に鼻で呼吸することで、口呼吸によるいびきのリスクを減らすことができます。

寝室の環境を整える(湿度・温度)

空気が乾燥していると、鼻や喉の粘膜が乾いて炎症を起こしやすくなり、いびきの原因となります。
加湿器などを使って、寝室の湿度を50〜60%に保つようにしましょう。
快適な室温を保つことも、リラックスした質の高い睡眠につながります。

いびき対策に役立つおすすめグッズ

セルフケアと並行して、市販のいびき対策グッズを活用するのも有効な手段です。
様々な種類があるので、自分のいびきのタイプに合わせて選びましょう。

グッズの種類 特徴 こんな人におすすめ
口閉じテープ・マウステープ 唇に貼って物理的に口が閉じるのを助け、鼻呼吸を促す。 口を開けて寝てしまう人、口の渇きが気になる人
鼻腔拡張テープ・ノーズクリップ 鼻の外側や内側から鼻腔を広げ、鼻の通りを良くする。 鼻づまりが原因でいびきをかく人
マウスピース 下あごを少し前に出した状態で固定し、気道を広げる。 仰向けで寝るといびきをかく人、あごが小さい人
いびき対策専用枕 横向き寝をサポートしたり、気道を確保しやすい形状になっている。 寝姿勢や枕が原因でいびきをかく人

口閉じテープ・マウステープ

睡眠中に無意識に口が開いてしまうのを防ぎ、自然な鼻呼吸をサポートします。
手軽に試せるのが魅力ですが、鼻が完全につまっている状態で使用すると呼吸が苦しくなるため注意が必要です。

鼻腔拡張テープ・ノーズクリップ

鼻づまりが原因で口呼吸になっている場合に効果的です。
テープを鼻に貼るタイプや、鼻の穴に直接差し込むクリップタイプがあります。
鼻の通りがスムーズになり、いびきが軽減されることがあります。

マウスピース

歯科医院で作成する本格的なもの(スリープアプライアンス)と、市販のものがあります。
下あごを数ミリ前に出すことで、舌の根元が持ち上がり、気道を広げる効果が期待できます。
ただし、顎関節症の人や歯並びに問題がある人は使用前に専門医に相談しましょう。

いびき対策専用枕

横向き寝を促進する形状のものや、首のカーブにフィットして気道を確保しやすく設計されたものなど、様々な種類があります。
自分の寝姿勢や体格に合ったものを選ぶことが重要です。

その他のいびき防止グッズ(いびき軽減アプリなど)

最近では、いびきの音を検知してスマートフォンを振動させ、寝返りを促すアプリなども登場しています。
自分のいびきの状態を記録・分析する機能がついているものもあり、対策を立てる上で参考になります。

旦那のいびきに困ったら?効果的な対策グッズ

パートナーのいびきに悩んでいる場合、まずは本人の協力が不可欠です。
生活習慣の改善を優しく促しつつ、手軽に試せるグッズから提案してみるのが良いでしょう。
例えば、鼻腔拡張テープや横向き寝を促す抱き枕などは、本人への負担も少なく、受け入れてもらいやすいかもしれません。

いびき防止グッズは効果ある?選び方のポイント

いびき対策グッズは、自分のいびきの原因に合ったものを選ぶことが最も重要です。

  • 口を開けてしまうなら「口閉じテープ」
  • 鼻がつまっているなら「鼻腔拡張テープ」
  • 仰向けでかくなら「マウスピース」や「横向き寝促進枕」

まずは自分のいびきの特徴(いつ、どんな姿勢でかくかなど)を把握し、原因を推測した上でグッズを選ぶと、効果を実感しやすくなります。
効果には個人差があるため、いくつか試してみることも大切です。

危険ないびきに要注意!病気の可能性

大きないびきの中には、単にうるさいだけでなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)という病気が隠れている場合があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。
医学的には「10秒以上の呼吸停止が、1時間あたり5回以上」ある状態を指します。
大きないびきをかいていたかと思うと、急に静かになり、その後、あえぐように大きな呼吸を再開するのが特徴的な症状です。

いびきを放置するリスク

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、睡眠中に体が酸欠状態になります。
これにより、体に大きな負担がかかり、以下のような様々な生活習慣病のリスクを高めることがわかっています。

  • 高血圧
  • 心筋梗塞、狭心症、不整脈
  • 脳卒中
  • 糖尿病

また、日中の耐えがたい眠気は、仕事のパフォーマンス低下や、居眠り運転による重大な事故の原因にもなり得ます。

病院での検査・治療法

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、専門の医療機関で検査を受けることが重要です。
自宅でできる簡易検査や、病院に一泊して行う精密検査(ポリソムノグラフィ検査)があります。

治療法としては、CPAP(シーパップ)療法が最も一般的です。
これは、寝ている間に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道が塞がらないようにする治療法です。
その他、マウスピース(スリープアプライアンス)を用いた治療や、原因によっては外科手術が選択されることもあります。

いびきについて専門医に相談すべきケース

セルフケアやグッズを試しても改善しない場合や、以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずに専門医に相談しましょう。

  • いびきの音が非常に大きい、または不規則
  • 家族から「睡眠中に呼吸が止まっている」と指摘された
  • 息苦しさで夜中に目が覚めることがある
  • 十分寝ているはずなのに、日中に強い眠気がある
  • 朝起きた時に頭痛やだるさ、喉の渇きがある
  • 集中力や記憶力が低下したと感じる

いびきの相談は、主に耳鼻咽喉科呼吸器内科睡眠専門外来などが窓口となります。

いびきは多くの人が経験するありふれた症状ですが、決して軽視してはいけません。
まずは生活習慣の改善や手軽な対策から始めてみてください。
そして、もし病気のサインが見られたら、ためらわずに専門医の力を借りましょう。
快適な睡眠は、健やかな毎日のための第一歩です。


免責事項:
本記事は情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。
いびきに関するお悩みや病状については、必ず専門の医療機関にご相談ください。

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