エビリファイ(一般名:アリピプラゾール)は、統合失調症や双極性障害、うつ病など、さまざまな精神疾患の治療に用いられるお薬です。
ドーパミンやセロトニンといった脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで、症状を改善する効果が期待できます。
しかし、どのようなお薬にも副作用のリスクは存在し、エビリファイも例外ではありません。「エビリファイ 副作用」と検索されている方も多く、服用にあたってどのような副作用があるのか、もし副作用が出たらどうすれば良いのか、不安に思われている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、エビリファイで起こりうる副作用の種類や頻度、それぞれの症状と対処法について、詳しく解説します。
エビリファイの服用に関する疑問や不安の解消に役立てていただければ幸いです。
エビリファイは、非定型抗精神病薬に分類されるお薬です。
脳内で情報伝達を担う神経伝達物質のうち、特にドーパミンとセロトニンに対する作用が特徴的です。
- ドーパミン受容体部分アゴニスト作用: ドーパミンが過剰な状態ではその働きを抑え、ドーパミンが不足している状態ではその働きを補うように作用します。
これにより、ドーパミンのバランスを整えます。 - セロトニン受容体遮断作用: セロトニンの一部の受容体(5-HT2A受容体)を遮断することで、ドーパミン系の機能を調整し、特に陰性症状や認知機能の改善に寄与すると考えられています。
これらの作用機序により、陽性症状(幻覚や妄想)だけでなく、陰性症状(意欲低下、感情の平板化)や認知機能障害にも効果を示すことが期待されています。
統合失調症のほか、双極性障害における躁症状やうつ症状、うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合)の増強療法など、幅広い疾患に用いられています。
エビリファイの主な副作用の種類と頻度
エビリファイの副作用は多岐にわたります。
臨床試験や市販後の調査で報告されている副作用の中から、代表的なものを頻度別に見ていきましょう。
ただし、副作用の感じ方や現れ方には個人差が非常に大きいです。
頻度の高い副作用
添付文書によると、比較的高い頻度(5%以上など)で報告されている副作用には以下のようなものがあります。
これらの副作用は、服薬開始初期に現れやすい傾向がありますが、体が慣れてくると軽減することも少なくありません。
アカシジア(静坐不能)
アカシジアは、エビリファイの代表的な副作用の一つです。
「じっとしていられない」「そわそわする」「足がむずむずして動かしたくなる」といった不快な運動性不穏を特徴とします。
座っていても立っていても落ち着かず、歩き回ったり足踏みをしたりせずにはいられなくなることがあります。
- 頻度: 5%以上と比較的高い頻度で報告されています。
- 症状: 内的な落ち着きのなさ、体動、足の貧乏ゆすり、足踏み、歩き回りなど。
- 原因: ドーパミン系のバランス変化が関与していると考えられています。
- 対処法: 医師に相談することが最も重要です。
多くの場合、エビリファイの減量や、アカシジアを軽減させるためのお薬(例:β遮断薬、抗不安薬など)の併用が検討されます。
自己判断で服薬量を変更したり、中止したりすることは絶対に避けましょう。
眠気・不眠
エビリファイは、人によって眠気を感じることもあれば、逆に不眠になることもあります。
- 眠気: 服薬開始初期に特に起こりやすい副作用です。
日中の活動に影響が出ることもあります。 - 不眠: 寝つきが悪くなる、夜中に目が覚めてしまうなど、睡眠の質や量が低下することがあります。
精神的な高ぶりやアカシジアが不眠の原因となることもあります。 - 頻度: 眠気は5%以上、不眠は5%未満で報告されていますが、体感としてはどちらも起こりやすいと感じる方もいらっしゃいます。
- 対処法: 服薬時間の調整(夕食後や就寝前に変更するなど)が有効な場合があります。
眠気が強い場合は、車の運転や危険な作業は控える必要があります。
不眠が続く場合は、睡眠導入剤の併用などが検討されることもあります。
必ず医師に相談して、適切な対応を検討しましょう。
体重増加
抗精神病薬の中には体重が増加しやすいものがありますが、エビリファイは比較的体重増加のリスクが低いとされています。
しかし、個人差があり、体重が増加する方もいらっしゃいます。
- 頻度: 5%未満で報告されていますが、長期服用や他の薬との併用によっては注意が必要です。
- 原因: 食欲増進作用や代謝への影響などが考えられています。
- 対処法: バランスの取れた食事や適度な運動を心がけることが基本です。
体重の増加が気になる場合は、医師や管理栄養士に相談して、具体的な対策を検討してもらいましょう。
定期的に体重を測定し、変化を把握することも大切です。
吐き気・嘔吐
吐き気や嘔吐も、服薬開始初期に比較的よく見られる副作用です。
- 頻度: 5%以上と報告されています。
- 症状: ムカムカする感じ、実際に吐いてしまうなど。
- 原因: 脳の嘔吐中枢への作用や、消化器系の運動への影響などが考えられます。
- 対処法: 食後に服用する、少量から開始するなど、服用方法を調整することで軽減することがあります。
症状が強い場合や続く場合は、吐き気止めのお薬が処方されることもあります。
便秘
腸の動きが鈍くなることで便秘になることがあります。
- 頻度: 5%未満で報告されています。
- 症状: 便が出にくい、お腹が張るなど。
- 対処法: 食物繊維を多く含む食事を摂る、水分を十分に摂る、適度な運動をするなどが有効です。
症状が改善しない場合は、便秘薬の処方が検討されます。
立ちくらみ・めまい
立ち上がった際に血圧が急に下がることで起こる立ちくらみ(起立性低血圧)や、めまいを感じることがあります。
- 頻度: 5%未満で報告されています。
- 原因: 血管を広げる作用などが関与していると考えられています。
- 対処法: 急に立ち上がらず、ゆっくりと動作を行うようにしましょう。
症状が強い場合や頻繁に起こる場合は、医師に相談してください。
転倒による怪我のリスクもあるため注意が必要です。
神経過敏・不安
精神症状を改善するお薬ですが、人によっては一時的に神経過敏になったり、不安感が増したりすることがあります。
アカシジアに伴って起こることもあります。
- 頻度: 5%未満で報告されています。
- 症状: 落ち着かない、イライラする、そわそわするなど。
- 対処法: 医師に相談し、症状に合わせて服薬量の調整や他の薬の併用を検討してもらいます。
症状が出ている間は、無理をせず休息を十分にとることも大切です。
振戦(手足の震え)
手足が小刻みに震えることがあります。
特にじっとしている時や、細かい作業をしようとした時に目立つことがあります。
- 頻度: 5%未満で報告されています。
- 原因: ドーパミン系のバランス変化が関与していると考えられています。
- 対処法: 医師に相談し、症状に合わせて服薬量の調整や、震えを抑えるお薬の併用が検討されます。
流涎(よだれ)
抗精神病薬の一部には、唾液の分泌が増える、または飲み込みにくくなることでよだれが出やすくなる副作用があります。
- 頻度: 5%未満で報告されています。
- 症状: 口からよだれが出てしまう、寝ている間に枕が濡れるなど。
- 対処法: 服薬量の調整や、唾液の分泌を抑えるお薬の併用が検討されることがあります。
頻度が低い副作用
エビリファイの頻度が低い副作用の中にも、注意が必要なものがあります。
- 倦怠感: 体がだるい、疲れやすいといった症状。
- 口の渇き: 唾液の分泌が減少し、口が乾く感じ。
- 食欲不振: 食欲がわかない、食べる量が減る。
- 下痢: 便が緩くなる。
- 発疹: 皮膚に赤いブツブツやかゆみが出る。
- 頭痛: 頭が痛くなる。
- かすみ目: 目がぼやけて見えにくくなる。
- 頻尿: トイレに行く回数が増える。
- 構音障害: 話しにくくなる、ろれつが回りにくい。
- 筋硬直: 筋肉が硬くなる、動きがぎこちなくなる。
- 性機能障害: 性欲の低下、勃起障害など。
これらの副作用は発生頻度は低いものの、気になる症状があれば必ず医師に相談してください。
重大な副作用
発生頻度は非常に低いものの、生命に関わる可能性のある重大な副作用が報告されています。
これらの初期症状を知っておくことは非常に重要です。
もしこれらの症状が現れた場合は、直ちに服薬を中止し、速やかに医師の診察を受けてください。
悪性症候群
稀ではありますが、抗精神病薬の副作用として最も注意が必要なものの一つです。
高熱、筋肉のこわばり、意識障害、発汗、心拍数や血圧の変動などが急速に現れる病態です。
- 初期症状: 原因不明の高熱、全身の筋肉が硬くなる(筋強剛)、ボーッとしている、意識がはっきりしない、脈が速い、呼吸が荒い、汗をたくさんかくなど。
- 対応: 直ちに服薬を中止し、救急医療機関を受診してください。 早期の発見と治療が必要です。
遅発性ジスキネジア
長期の服薬によって、口の周りや舌、手足などが勝手にクネクネと動いてしまう不随意運動です。
服薬を中止しても改善しないことがあります。
- 初期症状: 口をもぐもぐさせる、舌を左右に動かす、唇をすぼめる、手足がピクピク動くなど、意図しない体の動き。
- 対応: 異変に気づいたら医師に相談してください。
早期発見が重要であり、エビリファイの減量や他の薬への変更が検討されます。
糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡
エビリファイを含む非定型抗精神病薬では、糖尿病が悪化したり、新たに発症したりするリスクが報告されています。
重症化すると意識を失うこともあります。
- 初期症状: 異常なのどの渇き、尿がたくさん出る、体がだるい、体重が急に減る、吐き気、お腹が痛い、息が甘酸っぱい臭いがするなど。
- 対応: これらの症状に気づいたら、速やかに医師に相談してください。
血糖値の測定や専門医への紹介が必要となる場合があります。
定期的な血糖値チェックも重要です。
横紋筋融解症
筋肉の細胞が壊れて、血液中に放出される病態です。
腎臓に負担がかかり、急性腎不全を起こす可能性があります。
悪性症候群に伴って発生することもあります。
- 初期症状: 筋肉痛、手足のしびれ、脱力感、体が動かしにくい、尿の色が赤褐色になるなど。
- 対応: これらの症状が現れたら、すぐに服薬を中止し、医師に連絡してください。
無顆粒球症、白血球減少、好中球減少
血液中の白血球や好中球が極端に少なくなる病態です。
感染症にかかりやすくなります。
- 初期症状: 突然の高熱、のどの痛み、口内炎、体がだるいなど、風邪のような症状。
- 対応: これらの症状が現れたら、直ちに服薬を中止し、医師に連絡してください。
血液検査で白血球数などを確認する必要があります。
肺塞栓症、深部静脈血栓症
血管の中に血の塊(血栓)ができ、それが肺の血管に詰まると肺塞栓症となり、呼吸困難などを起こす可能性があります。
足の静脈に血栓ができるのが深部静脈血栓症です。
- 初期症状:
- 肺塞栓症: 突然の息切れ、胸の痛み、呼吸困難、冷や汗など。
- 深部静脈血栓症: 片足のむくみ、痛み、赤み、触ると硬いなど。
- 対応: これらの症状が現れたら、直ちに服薬を中止し、救急医療機関を受診してください。 特に、長時間同じ姿勢でいること(旅行中の座席など)でリスクが高まる可能性があります。
麻痺性イレウス
腸の動きが麻痺してしまい、内容物がうまく流れなくなる病態です。
- 初期症状: お腹の張り、強い吐き気や嘔吐、便やおならが出なくなるなど。
- 対応: これらの症状が現れたら、すぐに医師に相談してください。
肝機能障害、黄疸
肝臓の機能が低下したり、胆汁の流れが悪くなったりする病態です。
- 初期症状: 体がだるい、食欲不振、吐き気、皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、尿の色が濃くなる、かゆみなど。
- 対応: これらの症状が現れたら、すぐに医師に相談してください。
血液検査で肝機能を確認する必要があります。
けいれん
意識を失って体が硬直したり、ガタガタと震えたりする発作です。
- 対応: けいれん発作が起きた場合は、すぐに医師に連絡してください。
不整脈
心臓のリズムが乱れる病態です。
- 初期症状: 動悸、胸の痛み、めまい、立ちくらみなど。
- 対応: これらの症状が現れたら、すぐに医師に相談してください。
遅発性の重篤な過敏症、薬剤性過敏症症候群
薬剤アレルギーの一種で、服薬開始からしばらく経って(数週間~数ヶ月後)から発熱、発疹、リンパ節の腫れ、肝臓や腎臓の機能障害などが現れる病態です。
- 初期症状: 発熱、全身の赤い発疹、目の周りや唇の腫れ、リンパ節が腫れるなど。
- 対応: これらの症状が現れたら、直ちに服薬を中止し、速やかに医師の診察を受けてください。
急性腎障害
腎臓の機能が急激に低下する病態です。
- 初期症状: 尿の量が減る、むくみ、体がだるい、吐き気など。
- 対応: これらの症状が現れたら、すぐに医師に相談してください。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)
体の水分と塩分のバランスが崩れ、血液中のナトリウム濃度が低下する病態です。
- 初期症状: 吐き気、頭痛、食欲不振、体がだるい、意識がぼんやりするなど。
重症化するとけいれんや意識障害を起こすこともあります。 - 対応: これらの症状が現れたら、すぐに医師に相談してください。
膵炎
膵臓に炎症が起こる病態です。
- 初期症状: 強い腹痛(特にみぞおちから背中にかけて)、吐き気、嘔吐、発熱など。
- 対応: これらの症状が現れたら、すぐに医師に相談してください。
起立性低血圧
上記「立ちくらみ・めまい」で触れた症状の正式名称です。
急な立ち上がりなどによる血圧低下が顕著な場合を指します。
- 症状: 立ち上がった時の強い立ちくらみ、めまい、失神など。
- 対応: ゆっくり動作することを心がけ、症状が強い場合は医師に相談してください。
嚥下困難
食べ物や飲み物を飲み込みにくくなる症状です。
誤嚥性肺炎のリスクを高める可能性があります。
- 症状: 食事中にむせる、飲み込みに時間がかかる、飲み込んだ後も口の中に残っている感じがするなど。
- 対応: 飲み込みにくさを感じたら医師に相談してください。
CK上昇
CK(クレアチンキナーゼ)は筋肉に含まれる酵素で、筋肉が壊れると血液中に増えます。
悪性症候群や横紋筋融解症などで上昇することがあります。
- 症状: 血液検査で発見されます。
筋肉痛などの症状を伴うことがあります。 - 対応: 筋肉関連の症状がある場合は医師に相談し、血液検査の結果についても確認してもらいましょう。
エビリファイ「しんどい」「やばい」と感じやすい副作用
多くの患者さんが特に「しんどい」「やばい」と感じやすい副作用として、アカシジアや眠気、そして精神的な不穏感などが挙げられます。
- アカシジアの「しんどさ」: 体が勝手に動きたがる感覚は、じっとしていられないため非常に不快で、集中力の低下やイライラにつながり、QOL(生活の質)を著しく低下させることがあります。
「そわそわして何も手につかない」「夜も足がむずむずして眠れない」といった状態は、精神的な苦痛を伴うため、「しんどい」「やばい」と感じやすい副作用と言えます。 - 眠気の「しんどさ」: 日中の強い眠気は、仕事や勉強、家事などに支障をきたし、「何もできない」「だるくて動きたくない」といった状態になりえます。
これも日常生活に直接影響するため、「しんどい」と感じやすい副作用です。 - 不眠の「しんどさ」: 眠れないことは、疲労感の蓄積や日中のパフォーマンス低下、精神的な不安定さにつながります。
「夜眠れないのは本当に辛い」と感じる方が多い副作用です。 - 精神的な不穏・焦燥感: エビリファイの刺激的な作用により、一部の人で服用開始初期に落ち着きのなさや強い不安、焦燥感を感じることがあります。
「気分がざわざわして落ち着かない」「イライラして人に当たってしまいそう」といった状態は、本人にとっても周囲にとっても「やばい」と感じられることがあります。
これらの副作用は、症状の程度や感じ方に個人差はありますが、もしご自身がこのような「しんどい」「やばい」と感じる症状を経験している場合は、我慢せずに必ず医師に相談してください。
適切な対応によって軽減できる可能性があります。
エビリファイと顔つきの変化について
抗精神病薬の一部には、ドーパミン系の作用などにより、無表情になったり、表情が硬くなったり(仮面様顔貌)、よだれが出やすくなったりといったパーキンソン病様の症状が出ることがあります。
また、体重増加やむくみなどにより顔の印象が変わることもあります。
エビリファイは比較的パーキンソン病様の症状が出にくいお薬とされていますが、全く起こらないわけではありません。
特に振戦(手足の震え)や筋硬直といった症状に伴って、顔の表情が乏しくなったように感じられることがあります。
もし、ご自身や周囲の方がエビリファイを服用されていて、以前と比べて顔つきが変わった、表情が乏しくなった、と感じられる場合は、他の副作用(振戦、筋硬直、流涎など)の兆候である可能性も考えられます。
気になった場合は、自己判断せず、必ず医師に相談して確認することが大切です。
エビリファイの離脱症状
エビリファイを自己判断で急に中止したり、急激に減量したりすると、体調を崩したり、様々な不快な症状が現れたりすることがあります。
これらは「離脱症状」や「中止後症状」と呼ばれるものです。
離脱症状の種類
エビリファイの離脱症状として報告されている症状は、以下のようなものがあります。
- 精神症状: 不安、焦燥感、イライラ、気分の変動、落ち着きのなさなど。
- 身体症状: 吐き気、嘔吐、頭痛、めまい、発汗、振戦(震え)、不眠、倦怠感、食欲不振、下痢、知覚異常(チカチカする、ピリピリするなど)など。
これらの症状は、元の病気の症状の悪化と区別が難しい場合もありますが、多くは服薬の中止や減量に伴って現れます。
離脱症状が出やすい時期
離脱症状は、エビリファイの服薬を中止したり、減量したりしてから数日から数週間後に現れることが多いとされています。
エビリファイは比較的半減期が長いお薬ですが、それでも体内の薬物濃度が急激に低下すると、離脱症状が出やすくなります。
離脱症状への対応
エビリファイの離脱症状を避けるためには、自己判断での中止や急激な減量は絶対にせず、必ず医師の指示のもとで、体調を確認しながらゆっくりと段階的に減量していくことが重要です。
減量のペースは、症状の種類や重症度、患者さんの状態によって医師が慎重に判断します。
もし減量中に不快な症状が現れた場合は、すぐに医師に相談し、減量ペースの見直しなどを検討してもらってください。
エビリファイの副作用が出た場合の対処法
エビリファイの服用中に何らかの副作用を感じた場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
副作用を感じたらすぐに医師へ相談
最も重要なことは、気になる症状や体調の変化が現れたら、我慢せずにすぐに主治医に相談することです。
副作用の中には、早期に対処することで症状を軽減できるものや、重大な病態の初期症状である場合もあります。
いつから、どのような症状が、どのくらいの強さで現れているのか、日常生活にどの程度影響が出ているのかなどを具体的に伝えられるように準備しておくと良いでしょう。
医師は、患者さんから聞いた情報や診察の結果をもとに、それがエビリファイの副作用なのか、他の原因によるものなのかを判断し、必要に応じて服薬量の調整、他の薬への変更、副作用を和らげるためのお薬の追加などを検討してくれます。
自己判断での減量や中止は危険
副作用がつらいからといって、医師に相談せず自分でエビリファイの量を減らしたり、服用を中止したりすることは非常に危険です。
自己判断で服薬量を変更すると、
- 病気の症状が悪化する: せっかく安定していた精神症状が再び現れたり、悪化したりする可能性があります。
- 離脱症状が現れる: 上記で解説したように、不快な離脱症状が現れるリスクがあります。
- 副作用の原因が特定できない: 自己判断で中止してしまうと、その症状がエビリファイによるものだったのか、他の原因だったのかを医師が正確に判断できなくなります。
必ず医師の指示に従って服薬を継続し、量や種類を変更する必要がある場合は、医師と十分に話し合ってから行うようにしてください。
医師や薬剤師との情報共有
エビリファイの副作用について、医師だけでなく、薬局の薬剤師にも積極的に相談しましょう。
薬剤師は、薬の専門家として、副作用の種類や対処法、他の薬との飲み合わせなどについて詳しい情報を持っています。
また、他の医療機関を受診する際や、他の薬を服用することになった場合は、必ずエビリファイを服用していることを伝えてください。
これにより、薬の相互作用による予期せぬ副作用を防ぐことができます。
お薬手帳を常に携帯し、正確な服薬情報を共有できるようにしておきましょう。
エビリファイの副作用に関するよくある質問(Q&A)
エビリファイの重大な副作用は?
エビリファイの重大な副作用としては、悪性症候群、遅発性ジスキネジア、糖尿病性ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡、横紋筋融解症、肺塞栓症・深部静脈血栓症などが挙げられます。
これらは発生頻度は低いですが、生命に関わる可能性のあるものです。
初期症状(高熱、筋肉のこわばり、意識障害、異常なのどの渇き、手足のしびれ・脱力感、息切れ、むくみなど)に気づいたら、直ちに服薬を中止し、速やかに医療機関を受診する必要があります。
エビリファイ副作用はしんどいですか?
アカシジア(じっとしていられない不快感)や強い眠気、不眠、精神的な不穏・焦燥感などは、患者さんにとって日常生活を送る上で「しんどい」「つらい」と感じやすい副作用です。
これらの症状は、精神的な苦痛を伴ったり、日中の活動を妨げたりすることがあります。
しかし、これらの副作用も医師に相談することで、服薬量の調整や他の薬の併用などにより軽減できる可能性があります。
エビリファイはどういう人が飲みますか?
エビリファイは主に以下のような精神疾患の治療に用いられます。
- 統合失調症
- 双極性障害における躁症状およびうつ症状
- うつ病・うつ状態(既存治療で十分な効果が認められない場合)
- 小児期の自閉スペクトラム症に伴うイライラ
これらの疾患の症状を抱えている方で、医師が必要と判断した場合に処方されます。
エビリファイは精神安定剤ですか?
エビリファイは、一般的に「抗精神病薬」に分類されるお薬であり、「精神安定剤」という表現は広義に使われることがありますが、厳密には異なります。「精神安定剤」は、不安や緊張を和らげる目的で使用されるお薬(主にベンゾジアゼピン系薬剤など)を指すことが多いです。
エビリファイは、ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質のバランスを調整することで、幻覚・妄想といった陽性症状や、意欲低下・感情の平板化といった陰性症状、気分の波などを改善することを主な目的としています。
不安や焦燥感にも効果を示すことはありますが、単なる不安を抑えるためのお薬とは位置づけが異なります。
まとめ:エビリファイの副作用に関する不安を解消するために
エビリファイは、多くの精神疾患に対して有効性が期待できるお薬ですが、副作用のリスクも伴います。
アカシジアや眠気、吐き気、体重増加など、頻度の高い副作用から、悪性症候群や遅発性ジスキネジアといった重大な副作用まで、様々なものが報告されています。
副作用の現れ方や程度は個人によって大きく異なります。
もしエビリファイの服用中に何か気になる症状や体調の変化が現れた場合は、「副作用かな?」と自己判断で悩んだり、我慢したりせず、必ず早めに主治医や薬剤師に相談してください。 副作用の中には、早期に対処することで症状を和らげたり、重症化を防いだりできるものがあります。
自己判断での減量や中止は、病気の悪化や離脱症状のリスクを高めるため、絶対に避けてください。
医師の指示のもと、適切に服薬を続けること、そして体調の変化を正直に伝え、医師と協力して治療を進めていくことが、副作用を管理し、安心して治療を続けるために最も重要です。
エビリファイの副作用に関する不安がある場合は、この記事で得た情報も参考にしながら、一人で抱え込まず、ぜひ医療の専門家と積極的にコミュニケーションをとってください。
免責事項:この記事は、エビリファイ(アリピプラゾール)の副作用に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスや診断、治療を保証するものではありません。
個々の症状や治療に関する疑問、不安については、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
この記事の情報のみに基づいて自己判断で治療を変更、中止したりすることは危険です。
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