ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)は、どちらも「発達障害」と呼ばれる神経発達上の特性です。混同されることも少なくありませんが、それぞれ異なる特徴を持っています。この記事では、ASDとADHDの違いを分かりやすく解説し、それぞれの特性、併存、診断、そして日常生活での向き合い方についてご紹介します。ご自身の特性を理解し、適切な支援や環境調整に繋げるための一助となれば幸いです。
ASDとADHDとは?発達障害の基礎知識
ASDとADHDは、脳の機能や発達の仕方の違いから生じる発達特性です。生まれつきのものであり、育て方や本人の努力不足によって引き起こされるものではありません。どちらも、社会生活や学業、仕事など、さまざまな場面で「困りごと」として現れることがあります。
ASD(自閉スペクトラム症)の主な特徴
ASDは、以前は自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などと呼ばれていましたが、現在は連続体(スペクトラム)として捉えられ、「自閉スペクトラム症」という診断名に統一されています。
ASDの主な特徴は、大きく分けて以下の2つの領域に関連する困難さです。
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コミュニケーションと対人関係の質的な違い:
- 言葉や非言語的コミュニケーション(表情、声のトーン、ジェスチャーなど)を理解したり、適切に使ったりすることが苦手な場合があります。
- 相手の気持ちや意図を読み取ることが難しく、社会的な場面での適切な距離感や振る舞いが分からないことがあります。
- 一方的な会話になったり、場の空気に合わない発言をしてしまったりすることがあります。
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限定された興味・関心や反復的な行動:
- 特定の物事や活動に強いこだわりを持ち、それ以外のことに興味を示さない場合があります。
- 同じ行動や手順を繰り返すことを好む傾向があり、変化や予期しない出来事に対して強い抵抗や混乱を示すことがあります。
- 感覚(光、音、匂い、肌触りなど)に対して、過敏または鈍麻な特性を持つことがあります。
これらの特徴の現れ方や程度は、一人ひとり大きく異なります。「スペクトラム」という言葉が示す通り、多様なグラデーションがあります。
ADHD(注意欠如・多動症)の主な特徴
ADHDは、不注意、多動性、衝動性といった特性を主な特徴とする発達障害です。子どもの頃に診断されることが多いですが、これらの特性は大人になっても続くことがあります。
ADHDの主な特徴は、以下の3つの要素に関連する困難さです。
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不注意:
- 集中力を維持することが難しく、ケアレスミスが多い傾向があります。
- 話を聞いているように見えても内容が頭に入っていなかったり、指示を最後まで聞けなかったりすることがあります。
- 物事を順序立てて行うのが苦手で、整理整頓が難しく、忘れ物をしやすいです。
- 期限を守ることが苦手で、計画通りに物事を進めるのが難しい場合があります。
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多動性:
- 落ち着きがなく、そわそわしたり、手足をもじもじさせたりするなどの体の動きが多い傾向があります(特に子ども)。
- 座っているべき場面で立ち歩いたり、走り回ったりすることがあります(特に子ども)。
- 大人になると、内的な落ち着きのなさ、じっとしていることへの苦痛として現れることが多いです。
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衝動性:
- 考える前に衝動的に行動したり、発言したりする傾向があります。
- 順番を待つことが苦手で、人の話を遮って話始めてしまうことがあります。
- 危険な行動を深く考えずに行ってしまうことがあります。
- 欲求を満たすために後先考えずにお金を使ってしまったり、人間関係でトラブルを起こしてしまったりすることがあります。
これらの不注意、多動性、衝動性の現れ方も、人によって異なります。不注意優勢型、多動性・衝動性優勢型、混合型といったタイプに分類されることもあります。
ASDとADHDの決定的な違いは特性にあり
ASDとADHDは、どちらも「脳機能の違い」に起因する発達特性であり、社会生活上の困難を伴う点では共通しています。しかし、その特性の現れ方には明確な違いがあります。この違いを理解することが、適切なアプローチや支援を見つける上で非常に重要です。
両者の違いを比較して見ていきましょう。
コミュニケーション・対人関係の違い
コミュニケーションや対人関係のスタイルは、ASDとADHDで特に異なると言われる領域です。
特性 | ASD(自閉スペクトラム症)の特徴 | ADHD(注意欠如・多動症)の特徴 |
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傾向 | 一方的、または受動的 | 衝動的、または場当たり的 |
会話スタイル |
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対人関係 |
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ASDの人は、他者との関わり方やコミュニケーションの「型」が独特である傾向があります。一方、ADHDの人は、不注意や衝動性によってコミュニケーションがスムーズにいかなかったり、トラブルになりやすかったりする傾向があります。
興味・関心・こだわり・行動の違い
興味の対象や行動パターンにおいても、両者には明確な違いが見られます。
特性 | ASD(自閉スペクトラム症)の特徴 | ADHD(注意欠如・多動症)の特徴 |
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興味・関心 |
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行動 |
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ASDの「こだわり」とADHDの「多動性」
ASDの「こだわり」は、安心感や秩序を保つため、あるいは強い興味の対象に深く没頭したいという欲求から生じることが多いです。同じことを繰り返したり、特定のルールに固執したりすることで、予測可能な世界を作り、混乱を避けています。
一方、ADHDの「多動性」は、脳内の活動レベルの違いから生じると考えられています。内的な落ち着きのなさや、刺激を求める欲求が体の動きや衝動的な行動となって現れます。じっとしていることが苦痛で、常に何かをしていないと落ち着かない感覚を伴うことがあります。
大人のASDに見られる話し方の特徴
大人のASD特性を持つ方の中には、独特の話し方をされる方がいます。例えば、以下のような特徴が見られることがあります。
- 一方的で長い: 自分の好きな話題になると、相手の反応を気にせず一方的に話し続けたり、話が脱線して長くなったりすることがあります。
- 具体的すぎる/抽象的すぎる: 比喩や曖昧な表現を理解したり使ったりするのが苦手な代わりに、事実に基づいた具体的な情報を詳細に伝えようとしすぎる、あるいは抽象的な概念をそのまま話してしまうことがあります。
- 声のトーンや抑揚が一定: 感情があまり声のトーンに乗りにくく、フラットな話し方になることがあります。
- オノマトペ(擬音語・擬態語)が多い: 自分の感覚や状態を説明する際に、適切な言葉が見つからず「ざわざわ」「もやもや」といったオノマトペを多用することがあります。
- 質問の意図が分からない: 相手が何を知りたいのか、会話の目的が分からず、的外れな返答をしてしまうことがあります。
これらは一例であり、すべてのASD特性を持つ方に当てはまるわけではありません。
ASDの人が謝罪を苦手とする背景
ASD特性を持つ方の中には、謝罪することや自分の非を認めることが苦手な方がいます。その背景にはいくつかの要因が考えられます。
- 状況や相手の感情の理解の難しさ: なぜ謝罪が必要なのか、自分のどの言動が相手を傷つけたのか、その因果関係や相手の感情を正確に理解することが難しい場合があります。
- 認知の偏り: 自分の視点から見た「正しいこと」「事実」に固執し、他者の異なる視点や解釈を受け入れにくいことがあります。
- 完璧主義やプライド: 失敗や間違いを認められない、完璧でいたいという気持ちが強い場合があります。
- 謝罪の「型」が分からない: 謝罪の言葉や態度、タイミングといった社会的なルールや非言語的な合図を理解するのが難しいことがあります。
これらの要因が複合的に影響し、謝罪が必要な場面でも適切に対応できないことがあります。
ASDの人が感情をコントロールしにくい場合
ASD特性を持つ人は、感情の「ラベリング」(自分の感情が怒りなのか悲しみなのかを認識すること)や「調整」(感情の強さをコントロールすること)が難しい場合があります。
- 感情の認識の難しさ: 自分の内面で起こっている感情をうまく認識できなかったり、言葉で表現できなかったりすることがあります。
- 感情の調整の難しさ: 一度強い感情(怒り、不安、喜びなど)が湧き上がると、その強さを調整したり、切り替えたりすることが難しくなります。
- メルトダウン/シャットダウン: 強いストレスや感情的な負荷がかかると、感情や行動が爆発的に表れる「メルトダウン」や、逆に無反応になる「シャットダウン」といった状態になることがあります。これらは本人の意思でコントロールできるものではなく、脳が情報を処理しきれなくなった結果起こる生理的な反応と考えられています。
感情のコントロールの難しさは、衝動的な言動や対人関係のトラブルに繋がることもあります。
注意力・衝動性の違い
不注意や衝動性といった特性はADHDの主要な特徴ですが、ASD特性を持つ人にも異なる形で現れることがあります。
特性 | ASD(自閉スペクトラム症)の特徴 | ADHD(注意欠如・多動症)の特徴 |
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注意 |
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衝動性 |
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ASDの不注意は「興味の偏り」に起因することが多く、興味のないことには全く注意が向かない一方で、好きなことには驚異的な集中力を発揮する「過集中」が見られます。ADHDの不注意は「集中力の持続困難」や「注意の配分」に関連しており、多くのことに気が散ったり、一つのことに長く集中できなかったりします。
衝動性については、ADHDの主要な特徴ですが、ASDの人も強いストレスやパニック状態になった際に一時的に衝動的な行動を取ることがあります。
ASDとADHDは併存することもある(混合型)
ASDとADHDの特性は、どちらか一方のみがはっきりと現れる場合と、両方の特性が複合的に現れる場合があります。後者は「併存」と呼ばれ、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)からは診断基準上、ASDとADHDの併存診断が可能になりました。以前はどちらか一方のみの診断となることが多かったため、この点は診断基準の大きな変更点と言えます。
混合型とは?両方の特性が見られるケース
ASDとADHDの混合型とは、コミュニケーションや対人関係の困難さ、限定された興味やこだわりといったASDの特性と、不注意、多動性、衝動性といったADHDの特性が、両方とも診断基準を満たす程度に現れている状態を指します。
例えば、以下のような特性の現れ方があるかもしれません。
- 強いこだわりやルーチンを好む一方、飽きっぽく新しいものにも手を出してしまう。
- 人との関わり方が独特で、場にそぐわない発言をしてしまうことがあるが、同時に衝動的な発言でトラブルを起こしやすい。
- 興味のあることには過集中するが、それ以外のタスクには不注意によるミスが多い。
- 変化を嫌う傾向があるが、衝動性から急に予定を変更したり、新しい場所に行ったりする。
これらの特性が複雑に絡み合い、本人も周囲も戸惑うことが多いです。
併存による困難と複雑さ
ASDとADHDの特性が併存している場合、単独の診断よりも困難さが増したり、複雑になったりすることがあります。
- 診断の難しさ: 特性が混ざり合っているため、どちらの特性が強く出ているのか、あるいは両方なのかを見分けるのが難しい場合があります。診断にはより詳細な問診や検査、生育歴の情報が必要となります。
- 困りごとの複雑さ: 例えば、ASDのこだわりとADHDの衝動性が結びつき、特定の趣味に衝動的に多額のお金を使ってしまう、といった形で困りごとが現れることがあります。計画性のなさ(ADHD)と変化への弱さ(ASD)が組み合わさり、予期せぬ出来事への対応がより困難になることもあります。
- 支援方法の検討: ASDの特性へのアプローチとADHDの特性へのアプローチは異なるため、一人ひとりの複雑な特性に合わせて、複数の視点から支援方法を検討する必要があります。
- 二次障害のリスク: 特性の現れ方が複雑で、周囲の理解や適切な支援が得られにくい場合、本人が孤立感を深めたり、自信を失ったりして、不安障害やうつ病といった二次障害に繋がるリスクが高まります。
混合型の場合、特性を一つずつ丁寧に紐解き、本人にとって何が困難であり、どのような支援が有効なのかを専門家とともに見つけていくプロセスが特に重要となります。
ASDやADHDの診断と専門機関
ASDやADHDといった発達障害の診断は、専門的な知識を持つ医師によって行われます。診断を受けることは、自身の特性を客観的に理解し、適切な支援や環境調整に繋げるための重要なステップとなります。
診断基準とプロセス
ASDやADHDの診断は、主にDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)やICD-11(国際疾病分類第11版)といった診断基準に基づいて行われます。診断は、特定の検査結果のみで行われるのではなく、問診、行動観察、家族からの情報収集、心理検査などを総合的に評価してなされます。
診断プロセスの一例は以下の通りです。
- 予備的な相談: まずは発達障害に関する相談窓口(後述)や、発達障害に詳しい医療機関に相談します。現在の困りごとや生育歴、家族からの情報などを整理しておくと良いでしょう。
- 専門医による問診: 発達特性に関する詳細な問診が行われます。幼少期からの行動や対人関係、学校生活、仕事での様子など、具体的なエピソードを尋ねられます。家族(特に保護者)からの幼少期の情報が非常に重要となることが多いです。
- 行動観察: 診察室での本人の様子が観察されます。コミュニケーションのスタイル、落ち着きのなさ、衝動的な言動などが評価されます。
- 心理検査: 知的な能力(WAIS-IVなど)や、ASD・ADHDの特性に関連する質問紙検査、発達歴に関する構造化面接(ADOS-2, ADI-Rなど)などが用いられることがあります。これらの検査は診断を補助するものであり、検査結果だけで診断が決定されるわけではありません。
- 情報収集: 可能であれば、幼少期の通知表や母子手帳、園や学校の記録、職場での評価など、客観的な情報が診断の参考とされることがあります。
- 総合的な評価と診断: 上記の情報全てを総合的に評価し、診断基準を満たすかどうかを判断します。診断結果や特性についての詳しい説明があり、今後の対応や支援について話し合われます。
診断には時間がかかる場合があり、複数回の受診が必要となることもあります。
どこで相談・診断を受けられる?
発達障害に関する相談や診断は、以下の専門機関や窓口で受けられます。
- 精神科・心療内科: 発達障害の診断・治療を行っている医療機関です。受診前に、発達障害の診療に対応しているか、予約が必要かなどを確認しましょう。インターネットなどで「発達障害 診断 〇〇(お住まいの地域)」と検索すると情報が見つかることがあります。
- 発達障害者支援センター: 発達障害のある方(ご本人、家族)からの相談に応じ、関係機関との連携のもと、地域における総合的な支援ネットワークを構築している専門機関です。診断の前に、まずここで相談することから始める方も多いです。
- 保健所・保健センター: 乳幼児期から成人期まで、様々な健康相談に応じています。発達に関する相談窓口を設けている自治体もあります。
- 児童相談所(18歳未満): 18歳未満のお子さんに関する様々な相談に応じている機関です。発達に関する相談も受け付けています。
- かかりつけ医: まずは身近な医師に相談し、専門機関を紹介してもらうことも可能です。
どこに相談すれば良いか迷う場合は、お住まいの自治体の福祉担当窓口に問い合わせてみるのも良いでしょう。
特性を理解し、ASDやADHDと向き合うための対処法
ASDやADHDの特性は生まれつきのものであり、「治す」というよりは、その特性を理解し、うまく付き合っていくための工夫や環境調整、適切な支援が重要となります。特性を知ることは、自己理解を深め、より快適に、自分らしく生きていくための第一歩となります。
日常生活での困りごとへの具体的な対策
特性によって生じる日常生活での困りごとに対しては、様々な対策を講じることができます。以下にいくつかの例を挙げます。
困りごと | ASD特性への対策例 | ADHD特性への対策例 |
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コミュニケーション |
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タスク管理・計画 |
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注意・集中 |
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衝動性 |
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感覚過敏・鈍麻 |
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これらの対策はあくまで一般的な例であり、一人ひとりの特性や困りごとの内容、程度によって最適な方法は異なります。様々な方法を試しながら、自分に合ったものを見つけていくことが大切です。
周囲の理解とサポートの重要性
ASDやADHDの特性を持つ方が、社会の中で安心して自分らしく生きていくためには、本人だけでなく、家族や友人、職場の人々といった周囲の理解とサポートが不可欠です。
周囲ができることとして、以下のような点が挙げられます。
- 特性への理解を深める: 発達障害に関する正しい知識を持つことが第一歩です。本人の言動を「わがまま」「努力不足」と捉えるのではなく、特性からくるものかもしれないと理解しようと努める姿勢が重要です。
- 否定しない・責めない: 困りごとが生じた際に、本人を頭ごなしに否定したり、責めたりすることは、自己肯定感を著しく低下させ、二次障害に繋がりかねません。「~が苦手なんだね」「~が難しいんだね」と、特性として受け止める声かけを心がけましょう。
- 具体的に伝える: 抽象的な指示や曖昧な言い回しは伝わりにくい場合があります。「たぶん~しておいて」「いい感じに頼むね」ではなく、「〇月〇日△時までに、この書類を××さんに渡してください」のように、具体的に、明確に伝えましょう。複数の指示を一度にせず、一つずつ伝えることも有効です。
- 環境調整に協力する: 苦手な音を減らすために座席を移動する、気が散らないように衝立を設置する、作業手順を視覚的に分かりやすく提示するといった、本人が働きやすい、過ごしやすい環境を作るための工夫に協力しましょう。
- 得意なこと・好きなことを応援する: 苦手なことだけに注目するのではなく、本人の持っている強みや才能、興味関心に目を向け、それを活かせる機会や場を提供しましょう。成功体験を積むことは、自信に繋がります。
- 休息やクールダウンを見守る: ストレスや過負荷によってメルトダウンやシャットダウンが起こりそうな時、あるいは起こった後には、安全な場所に一人になれる時間や、クールダウンするための時間・空間が必要です。静かに見守り、本人が落ち着けるように配慮しましょう。
- 専門家との連携: 本人や家族だけで抱え込まず、医師や発達障害者支援センター、職場の産業医やカウンセラーなどの専門家と連携し、サポートを受けることが大切です。
周囲の理解と温かいサポートがあることで、本人は安心して自分の特性と向き合い、社会の中で能力を発揮しやすくなります。
まとめ:違いを知り、適切な支援へ繋げるために
ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)は、どちらも発達障害に分類されますが、その特性には明確な違いがあります。ASDはコミュニケーションや対人関係、限定された興味やこだわりに特徴があり、ADHDは不注意、多動性、衝動性に特徴があります。
特性の比較 | ASD(自閉スペクトラム症) | ADHD(注意欠如・多動症) |
---|---|---|
コミュニケーション・対人関係 | 一方的、あるいは受動的。暗黙のルールの理解や共感が苦手。 | 衝動的、場当たり的。人の話を遮る、失言が多い。 |
興味・関心・行動 | 特定のことに深く没頭(こだわり)。変化を嫌う。反復行動。 | 多くのことに興味を持つが飽きっぽい。衝動的な行動。落ち着きがない(多動性)。 |
注意 | 興味のあることに過集中。興味のないことには注意が向かない。 | 集中力が持続しない。気が散りやすい。ケアレスミスが多い。 |
衝動性 | 基本的に少ないが、パニック時などは見られることも。 | 考える前に行動する。順番を待てない。危険を顧みないことがある。 |
両方の特性が併存する「混合型」の場合もあり、特性の現れ方や困りごとはさらに複雑になります。
これらの違いや特性を理解することは、ご自身の困りごとの背景を知り、適切な対処法や環境調整を見つける上で非常に重要です。診断は必須ではありませんが、専門機関で診断を受けることで、特性に合った支援や公的なサービスに繋がる可能性が広がります。
もしご自身や身近な人にASDやADHDかもしれないと感じたり、日常生活で困難を抱えていたりする場合は、一人で悩まず、発達障害者支援センターや医療機関といった専門機関に相談してみることをお勧めします。特性は「欠点」ではなく、その人が持つ個性の一部です。違いを知り、それぞれの特性に合った理解とサポートが得られる社会を目指していくことが大切です。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断や治療を推奨するものではありません。ご自身の状態については、必ず医療機関に相談し、専門家の診断や指導を受けてください。
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